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2017/01/30[mon] update

ギョーカイ最前線【保育業界編/こども學舎】

「子どもを預けて働きたいけど、保育園に空きがない…」。
そんな待機児童をめぐる問題は今なお深刻で、全国の自治体では急ピッチで保育園の新設や小規模保育施設の拡充を進めています。しかし、保育園の数を増やしても、実際に保育に携わる保育士がいなければ子どもを受け入れることは出来ません。待機児童解消へ向けた課題であり、“仕事”としても注目を集める保育士の育成について、独自の取り組みを行うNPO法人「こども學舎」を取材しました。

子育て経験、社会人経験を生かして
活躍できる仕事です。

NPO法人 こども學舎
理事/河村泰孝さん
保育士不足が深刻です。
箱(保育園)を作るのは簡単であっても、中身(保育士)を用意するのは簡単ではありません。例えば専門学校で保育士の資格を取るには最低でも2年は必要。また、少子化の影響で保育士という職業を選ぶ人自体が減っているという現状もあります。

こども學舎はどんな施設?
厚生労働大臣指定の保育士養成施設です。一般的な専門学校で学ぶのは高校を卒業したばかりの方々ですが、ここで学ぶのは大半が社会人経験者です。無料で利用できる託児ルームもあり、10代から60代まで幅広い年齢の方々が保育士を目指して学んでいます。

社会人経験者が保育士となる利点は?
保育士の仕事は子どもを保育するだけでなく、保護者へのサポートが重要。保育園を利用する親御さんは育児が初めてという方も多いため、自身の子育て経験をふまえたアドバイスができたり、社会人経験者のコミュニケーションスキルがあれば、大きな強みとなります。

保育士を目指す際に利用できる助成制度があるとか?
札幌市や北海道では保育士養成施設で資格取得を目指す方を対象に、最大160万円の学費を貸付ける「保育士修学資金貸付」という制度を新設する予定です。卒業後、認可保育園などで5年以上勤務すると返済免除となります。また、シングルマザーやファザーを対象に最大245万円を給付する(返済不要)高等職業訓練促進給付金事業という制度もあります。

どんな人のチャレンジを期待しますか?
保育士は多忙で責任も大きく、安易な気持ちでできる仕事ではありません。だからこそ「子どもが好き!」「保育士になりたい!」という、強い気持ちが不可欠。当校では社会人でも学びやすい環境を整えており、各種助成制度の活用も可能です。本気で保育士を目指す方なら、年齢にかかわらず挑戦してほしいですね。

こども學舎の卒業生に聞きました!

2年前にこども學舎を卒業し、現在札幌市内の保育園に勤務するお二人にお話を聞きました。

母親のがんばるキモチは
子どもにも伝わるもの!

Q.保育士を目指そうと思った理由は?
子どもが好きという気持ちが強かったことに加え、保育士を目指すことでシングルマザー向けの助成制度が利用できることも魅力でした。こども學舎のことはテレビのニュースで知り、私と同じような立場の人ががんばって学んでいることに刺激を受けました。入学前は飲食店でホールスタッフをしていました。

Q.学校生活はどうでしたか?
“学校で勉強する”ということ自体が久しぶりだったので、授業について行けるかなと不安でした。ただ、保育の知識を子育て中に学べたことはためになりましたし、実際に保育士として働いていた講師の方の経験談は興味深く、今後自分が保育士として働くイメージを具体的に持つことができました。

Q.当時の一日の流れは?
朝、子どもたちを小学校、幼稚園に送り出した後、学校に行き9時20分から12時40分まで授業。帰宅後は主に主婦業です。時々、授業が長引き、お迎えが間に合わない時は近くに住む母に助けてもらっていました。

Q.実際に保育士になってみて感じたことは?
子どもたちの笑顔に接し、日々の成長を目の当たりに出来ることに大きなやりがいを感じました。ただ、子どもが間違った行動をしたときなどは保育士として、しっかり注意をしなければなりません。どのように伝えれば受け止めてもらえるかなど、まだまだ頭を悩ませることは多いですね。

Q.これから保育士を目指す方に一言。
私と同じような母子家庭のお母さんであれば、子育てをしながら勉強なんてムリ!と思うかもしれません。子どもと接する時間が減ることを不安に思う人もいるでしょう。でも、母親がイキイキがんばっている様子は子どもにとってうれしいもの。この学校には似た境遇の人も多いので、同じ目標を持つ仲間の存在が、きっと励みになると思います。

保育士/佐藤礼子さん
9歳、6歳(入学当時は6歳、3歳)の子どもを持つシングルマザー。こども學舎を卒業後、市内認可保育園で午前中のみパート保育士として勤務。現在39歳。

ずっとあこがれていた仕事に
ようやく携われました。

Q.保育士を目指そうと思った理由は?
子どものころから保育士になるのが夢だったんです。シングルマザー向けの給付金をもらいながら保育士を目指せる仕組みがあると知り、離婚を機に資格にチャレンジしてみようと考えました。入学する前は保険の外交員をしていました。

Q.学校生活はどうでしたか?
授業に付いていくのに必死でした(苦笑)。思い出深いのは2年生の時の保育実習。レポートが多くて大変でしたが、子どもたちと接したことで保育士になりたいという気持ちも強くなりました。

Q.当時の一日の流れは?
私は在学中、学校の近くにある病院内の保育施設で保育補助のパートをしていました。なので、午前中の授業が終わったら、そのまま勤務先に行って夕方まで仕事。その後、子どもたちを保育園に迎えに行くという…。よく乗り切れたと思っています(苦笑)。

Q.実際に保育士になって感じたことは?
今まで経験してきた仕事は時間や待遇面を優先し、自分が本当にやりたいかどうかは二の次でした。でも保育士はもともとあこがれていたので本当に面白く、子どもたちの成長を肌で感じられることにやりがいを感じます。ただ、子どもたちは、ちょっとしたことでケンカもしますし一瞬たりとも気が抜けません。子どもの安全を守るのも私たちの役割なので、責任の重さを感じながら働いています。

Q.これから保育士を目指す方に一言。
子どもを持っている人なら、保育の知識を自分の子育てに生かすことが出来ます。例えば子どものしつけ方について、自分は正しいと思っていたことが、本当は間違っていたりすることがあるんです。私はここで学んだ知識を生かすことで、子どもとのコミュニケーションが以前よりスムーズになった気がしています。

保育士/田中実花子さん
9歳、7歳、6歳、4歳(入学当時は5歳、3歳、2歳、0歳)の子どもを持つシングルマザー。こども學舎を卒業後、市内の認可保育園で保育士として勤務。現在27歳。

取材協力:厚生労働大臣指定 保育士養成施設 こども學舎

札幌市西区琴似2条3丁目1-3 テーオービル
TEL.011-616-1771
http://www.kodomo-gakusha.jp
※平成29年4月に新校舎へ移転予定
移転先/札幌市中央区大通西18丁目2-8
地下鉄東西線「西18丁目」駅から徒歩2分