ー札幌へ移住したきっかけを教えてください!
九州で生まれ育ち、大学卒業後、保険の営業やベンチャー企業で勤めていました。男勝りな性格なのでバリバリ働き、ベンチャーに入社したのもいつかは起業したいと考えていたのが理由でした。実のところ結婚も出産も考えていなかったのですが、いい出会いに恵まれて、2010年に長女を出産。それから1年後、夫の転勤が決まり、知り合いがほぼゼロの札幌へ移住しました。移住後は子育ても慣れない日々で、孤独感でいつも気持ちがいっぱいいっぱいでした。つらい日々が続きましたが、SNSで札幌のママ達と交流したことが唯一の救いでしたね。
ーそうした経験が「かえりん」設立のきっかけなのでしょうか?
移住から1年が経ったある時、友人が産後うつで亡くなり、大きなショックを受けたんです。自分が助けられなかった事を後悔しましたし、私自身もつらい時期だったので人ごとではありませんでした。同じママとして、助けてあげられたのではないかという想いでいっぱいで...。その後、元々勤めていた保険会社の札幌支店に復職したんですが、どこか気持ちはモヤモヤしたままでした。そんな時、友人が「古着交換会」を開催しているのを目にしたんです。
ー「おさがり交換会」の原点ですか
北海道の冬は九州に比べて暖房光熱費や食費、そして冬服がかなり負担になります。特に子供服はただでさえ買い換えが必要なのに、防寒着やスキーウェアなどはかなりの出費。そこで、子供服に特化した交換会ができないかと思い立ちました。その後、子育て系のイベント会場にいた知らないママにどんどん話しかけて「おさがり交換会」のアイデアを話したら、みんな賛同してくれたんです。そして2016年1月、親しくなったママたちと一緒に、勢いだけで「子育て相互支援団体かえりん」を設立。初の「おさがり交換会」を開催しました。