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○○ママの好きなこと・大切なこと 夢や志は、声に出して実現を

2021年11月8日 公開 / 2024年10月29日 更新

readymork代表 育休後・復職アドバイザー/福澤由佳さん

今回お話を伺ったのは、個人事業主として働く福澤由佳さん。現在、7歳の長男と3歳の長女の子育てをしながら、育休後ママの就労支援やコンサルティング、保育園の地域交流担当、また行政の女性活躍推進に関する提言など、幅広い活躍を見せています。育休後の仕事のあり方について、ご自身の子育てや復職の経験を紐解きながら語って頂きました。

(株)ワーク・ライフバランス社認定の「ワーク・ライフバランスコンサルタント」、育休後コンサルタントR山口理栄認定「育休後Rアドバイザー」「育休後Rカフェファシリテーター」などの資格を持ち、子育てしながら働く女性の支援をしています。

復職後の挫折が、独立のきっかけに

ー独立されるまでのお話をお願いします!
北海道で生まれ、北星学園大学を卒業後、札幌で大手求人情報サービス会社に就職し、営業職に従事しました。3年半勤めた後は大手レシピサイトの営業職を3年半。2012年にUターンし、札幌出身の夫と結婚、出産しました。育休明けは古巣である求人情報サービス会社へと復帰しますが、そこでの苦労が現在の仕事につながっています。

ーどんなご苦労をされたんですか?
昼夜を問わず働くほど仕事が大好きで、成長を感じながら働いていたのですが、出産前だったら出来たことが出来なくなっていたんです。復帰後、子育てしながら働く女性は私以外に1人しかおらず、時短で帰るという風土が根付いていませんでした。週刊誌を制作していたので、締め切りに追われ、気づけば18時を過ぎてから子供を迎えに行くこともよくありましたね。

ー当時はまだ、社会全体も女性の働きやすさの整備がされていない頃でしたね
今思えば上手に両立させる方法はあったと思うんですが、周囲から「また休むんだ」と言われてそうとか、「使えない」と思われてそうとか、休む事に罪悪感を感じるあまり、ネガティブに考えてしまったんです。自分で自分を追い込んでしまった事や、会社に貢献できない申し訳なさ、ワンオペ育児の大変さでそれ以上続られなくなり、復職後3ヶ月で退職してしまいました。出産後の心理的な変化が重なった点も要因だと思います。

「出産前にキャリアを築いてきた方ほど、復職後に成功体験とのギャップに悩む事が多い」と福澤さん。復職後に働きやすい職場環境整備のための提言も行っています

女性のキャリアをリセットしないために

ー退職後、すぐに独立を?
いえ、1年専業主婦をした後、知人から女性起業家を支援するお仕事をお誘いいただき、パートとして働き始めました。そこで2年の間働き、様々な人や価値観と出会った事で、自分がやりたい事の道筋が見えて起業を決めたんです。

ーという事は、子育てしながらですか
3歳の長男を育てながらでした。でもいざ独立しようという矢先に、2人目となる長女の妊娠がわかったんです。またしばらく育児に追われて、やりたい事をする時間が減るのでは無いかと思うと、正直、複雑な気持ちでした。長男の時のように、保育園に入れないから働けないというモヤモヤを抱える生活はしたくありませんでしたし、今度はやりたい事が決まっていたので、立ち止まりたくはなかったんです。ですので出産後、2カ月のタイミングで開業届を提出しました。

ーそんな中での起業、ご主人も心配したのでは?
起業そのものへの心配は特にしていませんでしたが、育児や家事に支障をきたすのを心配していましたし、実際にそうなると凄く嫌がりましたね。収入面でも夫の扶養に入っていた事もあり、「そんなに忙しく働く必要あるの?」とも言われましたし、「子どもにもっと手をかけて欲しい」みたいな事もしょっちゅう言われて、よくケンカをしていました(笑)

ーどう解決したのですか?
私は収入面はもちろんですが、1人の女性として自己実現がしたかったんです。でも、どうしても理解して貰えず...。それである時「今は子育てをしっかりして欲しいと言うけど、子どもたちの成人後、私のキャリアに責任を持てるの?」と言っちゃいました。子どもが成人したら私は51歳。そこから働きたい、やりたい事を実現したいとなると、ブランクが空くのは妨げになると思ったんです。また夫も定年間近の61歳となり、家計を担うのは実質、私になります。その時、正社員という安定した雇用があるかなんて予想が付きません。だからこそ「今から少しずつ経験を積んで、その頃に何があっても稼げぐらいの人になっていたい」。そんな話が潮目となったのか、以来は協力してくれるようになりました。今は月に1度は仕事や家庭について、2人だけで話し合う時間を設けています。

10月12日、ジョブキタビルで行われた「保育園・認定こども園・幼稚園がわかる保活セミナー」で講師を務めた福澤さん

ー子どもが保育園や幼稚園に上がるまでは専業主婦となるママも多いですよね
そうなんです。3歳までは育児に専念すべきだという、いわゆる「3歳児神話」や、働くからには家庭と両立できないといけないという思いに捕らわれてしまい、一歩が出ないというママはまだまだ多いと思います。その背景には社会そのものの価値観や、家父長制で育ったパートナーの価値観、ご両親の家族観等が大きく影響してるんですよね。私自身も経験した事ですが、出産や子育てのために会社を一度でも辞めてしまうと、正社員として再就職をする事は本当に難しい。特に北海道や地方ですと、尚更そのハードルが高いと感じています。

ー保育園が見つからないという現状もありますね
仕事を見つけるために保育園を探さなけばいけないのに、そもそも認可保育園は働いていなければ入園するのが難しいのが現実。子どもを預けたいのに預けられない、そんな負のスパイラルに陥り、身動きができないという女性も多いと聞きます。私はたまたま、認可外保育園に長男を預ける事ができて、たまたま「保活」の知識があったので上手くいきました。しかし、そうした情報を知らずに夢が実現できない方が多くいらっしゃるのが現実です。そんな理由から、保活セミナーを開催して知識や方法を伝えています。

女性がやりたい事の実現に向け、サポートを

ー現在、子育てとお仕事は両立できていますか?
私自身、家庭と仕事のバランスを模索している最中です。ただ仕事ばかりで子どもが寂しくならないよう、私の仕事場や関わった企画・場所に子どもを連れて行く機会は多いですね。

ーそれは子どもにとっても良さそうですね
ママが仕事に行くと嫌がる子どもの心理には、「ママが知らない遠い場所に行ってしまう」という不安があるんだと思います。ですので、「ママはこうゆう仕事をしているんだ」「こんな場所で働いているんだ」という事を子どもに知って貰い、共通言語を得れば「この間会った人と仕事するよ」と伝えるだけで、「あの人といるんだ」と安心して貰えるのかな、と思っています。これはフリーランスならではの強みですね。子どもにとっても、家族や学校、保育園以外で大人と出会う機会がある事は、有益な経験になるのではないでしょうか。

現在の事業は女性のメンタリングや就職アドバイス、保活セミナーがメイン。それ以外にも、IT企業の採用サポート業務や認可外保育園の地域交流業務といった仕事も手掛けているそうです。「人とのつながりと、経験が今の仕事につながっています」

ー出産後も働きたい、独立したいという新米ママにアドバイスを
とにかく「子どもがいるから...」と諦めないで欲しいです。子どもの預け先は色々な方法があるので、まずはその情報をちゃんと知ると良いでしょう。そしてやりたい事、夢や想いを声に出したり、人に話してみたりしてください。SNSで発信するのも良いと思います。勉強会やセミナー・講演会に参加する事も発信につながります。発信する事で、それを見た人、聞いた人が仕事を紹介してくれたり、アドバイスをくれたり、たくさんの人と繋げてくれたりします。そうやって夢や想いを叶えるための道がどんどんと出来上がっていくと、私自身も実感しています。

ー今後、大きなビジョンは?
女性が「やりたい」と思った事を実現できる社会であって欲しいですし、私はそんな女性を手助けする役割でありたいですね。

ーありがとうございました!

代表を務めるreadymorkの企業理念は「なすがままに、キャリアをつくる」。「働きたい、働きにくいというモヤモヤの解決、女性がやりたいと思った事がすぐに実行できるよう手助けしたい」と話します。

readymork代表/育休後・復職アドバイザー
福澤由佳さん

お問い合わせ:readymork@gmail.com