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2022年8月2日 公開 / 2024年10月8日 更新

ミュージカル劇団「もえぎ色」 代表 光燿萌希さん

ド派手な衣装にハイテンションの演出、激しいダンスや力強いボーカル。そんなミュージカル劇団「もえぎ色」を、2児の子育てをしながら率いるのが光燿(こうか)萌希さん。劇団のイメージそのままに、仕事と子育て、どちらも全力で突っ走る光燿さんのエピソードをご覧ください。

Contents

1.くじけては挑戦の繰り返し!
2.子育ても劇団も絶対に諦めない!
3.オフの時間なんて作らない!

くじけては挑戦の繰り返し!


ーまずは光燿さんご自身のこと、それから劇団立ち上げまでの経緯を教えて下さい

幼い頃からピアノやバレエを習っていて、小学校の頃には安室奈美恵さんに憧れてダンスもスタート。高校生の頃はダンサーを夢見ていましたが、親の反対や自身の実力不足もあって断念して...、その時にミュージカルの存在を知ったんです。調べてみたら札幌にミュージカルの劇団って数少ないし、日本全体で見ても首都圏でしか見られない事がほとんどですよね。「じゃあ私が作る!」って決意したのが高校3年生の頃でした。

ー高3ですごい決断力!
でも歌なんてまともに歌ったことがなかったので、いきなりミュージカルをやろうと思っても、全っ然ダメで(笑)。それで勉強しなきゃなと思って、札幌大谷女子短期大学音楽科声楽コースに進学。1年生の時に執行委員長、いわゆる生徒会長になって「ウエストサイドストーリー」を上演、さらに翌年にはオリジナル作品も手掛けました。そして2004年、卒業と同時に何人かの仲間と女性だけのミュージカル劇団「もえぎ色」を旗揚げしたんです。


ー就職とかすっ飛ばしてますもんね(笑)立ち上げ当初はどう活動したんですか?

最初は何の知識も経験もなく、右も左もわからない状態。上演させてくれる場所との繋がりも作らなければなりませんでした。
舞台そのものも手探りで照明や音響も作り、弟や友達、衣装も母親など身内感を巻き込んで作っている状態。知識も技術もない中、 「とにかくミュージカルで食べていく」っていう執着心だけで動いていたんですけど、2回目の公演の時にはみんな辞めちゃって、私一人になりました(笑)。なかなか同じ想いで活動してくれる仲間はいませんでしたね。

▲ステージでの光燿さん(提供写真)

ーそれでも続ける気力がスゴイ...
とにかく、くじけては挑戦、の繰り返しです。でも、そんな姿を見て付いてきてくれる人もいて、きちんとしなくちゃなって。そこで、お金の面でもきちんとマネジメントするために2009年に「パフォーマンスプロダクションCOLORE」という団体を立ち上げました。

ーどうやって知名度を広げたんでしょう
呼んでも来てくれないなら「見せに行く」という方針に切り替えました(笑)。ススキノにあるショーパブから老人ホームまで色んなステージに立ちましたし、女性だけの団体なので、少しでも女性の力になればとピンクリボン運動啓発のミュージカルを作り、パフォーマンスさせて貰いました。こうして活動が徐々に軌道に乗って、「そろそろ食べていけるかも...?」と思い始めた頃、出会ったのが夫で、長女を妊娠したんです。

子育ても劇団も絶対に諦めない!

ー予期せぬタイミングだったんですね
何もかもバタバタでした。とはいえ、出演をキャンセルする訳にもいきませんので、臨月の時にショーパブでパフォーマンスしたことも(笑)。当時、生活も団員2人と一緒に住んでいたので、大変ご迷惑をおかけしておりました。それでも私は子供も家庭も仲間も守ると決心していたんです。

ーいつ落ち着いたんでしょうか
2011年に出産してから3、4年は混乱したまま過ごしていましたね。そうこうしているうちに2015年には長男を出産。あまり記憶がありません(笑)。当時は出産経験があるメンバーもいなくて、子育てとの両立をどうしていくのがいいかもわかりませんでした。私の母親や夫に預けて稽古する日々が続いたので、家族の不満も募るばかり。「どうやったら子育てと劇団の活動を両立できるんだろう」「どうやったら家族に理解してもらえるんだろう」、その結果思いついたのが「娘も出演させる」という事でした。

ーなるほど!
で、大人たちの中に娘一人だけ出演させても、退屈するかもしれないので、他のママ友の子も劇団に誘ったんですよ。それから娘も含め、子供も少しずつ所属するようになり、現在は小学生、中学生、高校生までいるというカタチになったんです。

ー劇団にとっても、子育てが転機になったんですね
ガラリと変わって、より組織らしくなりましたね。劇団活動と並行してダンススクールも兼ねるようになりました。子どもやママも増えたので、稽古は遅くても20時まで。年2、3回開いていた公演も、無理なく進めるために年に1回、ギュッとクオリティを濃縮した形で開催する形にしました。

ー今はどんな目標に向かっていますか?
実は昨年に公演した時に、舞台で勢いのままに「20周年は札幌ドームで開催する」と言っちゃって。ちなみに20周年は再来年の2024年...やるしかないです(笑)。

ー本当に勢いが...
ホントに勢いとエネルギーだけですよね。私は歌も演技も上手いわけじゃ無く、特化した能力がないんですけど、みんなをまとめて「行くぞ!」って力だけは強いんですよ(笑)。

ー子育ても?
もちろんです。出産当初、夫の夫婦像は「男は仕事へ行き、女は家を守る」という感じだったので、家事、育児は私の担当でしたね。飲んだ後に夜中にお客さんを連れてきたり、友達を1、2ヵ月住まわせたりしていたこともありました。今となってはもう慣れましたけど、まさに勢いで乗り切りましたね。

▲子どもたちにダンスレッスンを行う光燿さん(提供写真)

オフの時間なんて作らない!

ー大変!オフの時間ってあるんですか
無いですよ!息抜きもゼロ!オフにしたら「そんなに疲れるなら劇団辞めたら?」と言われそうですし、疲れを感じる隙ができてしまうので、つくる気もありません。ずっとオンです(笑)。最近はそれでも余裕が出てきて、子どもに習い事をたくさんさせています。

ーどんな習い事を?
長女はウチのミュージカルはもちろん、ゴルフ、民謡にピアノ。長男は空手、ピアノ、英語とプールです。同じ立場のママ友ができたり、大会の付き添いに行けたりと、楽しいんですよ。

ー辛いとき、どうやって乗り切るんですか?
子育ても最初は怒ってばかりでしたけど、そもそも子どもってストレートに伝えても言うことを聞きませんよね。どうやったら伝わるか、姉弟2人、それぞれにあった方法を常に考えながら奮闘してます。毎日の子供達との戦いを考えたら、ミュージカルがやりたい!という共通の想いで集まっている劇団員のリーダーなんて、可愛いものです(笑)
ーなんだかんだで最近は楽になった?
今は家庭も劇団も順調。経営的にもようやく、事務系のスタッフを一人雇えるようになったんですよ。団員も子ども含めてかなり増えました。このまま大きな会社に成長させて、ビルを建てるのが夢です。

ーまた大きな夢ですね!
将来は札幌を代表する劇団になって、世界中の人が来るような自分たちの劇場を作りたいんです!そのためにはまずは再来年、札幌ドーム公演を実現します!

▲「札幌演劇シーズン2021・夏」で上演した「BIG Singer Glorious」。かつては歌手を夢見ていた田舎で暮らすアラフォーのシングルマザーが、親友2人と共に再び夢に向かうサクセス・ストーリー(提供写真)

ミュージカル劇団「もえぎ色」 代表
光燿萌希さん

光燿萌希さんInstagram:@moegikouka
もえぎ色ホームページ:https://www.moegiiro-musical.com