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○○ママの好きなこと・大切なこと 「やってみよう」の精神で!

2023年7月18日 公開 / 2024年10月9日 更新

2児のママ アクセサリーパーツ販売 中村裕里子さん

今回お話を伺ったのは、2人の男の子ママで海外向けにアクセサリーパーツを販売している中村裕里子さん。学生時代につちかった英語で通販サイトを立ち上げ、アメリカやカナダ、イギリスへと販売しています。「自分の好きなこと」で起業するに至ったエピソードや、仕事と育児の両立のコツについてを伺いました。

Contents

1.世界へ向けて日本のかわいいパーツを販売!
2.海外で得た、度胸とやってみよう精神で起業へ。
3.子育てとの両立のコツは「諦めの気持ち」

世界へ向けて日本のかわいいパーツを販売!


ーご自宅から世界中へアクセサリーパーツを販売されているとか。

「Candydecoholic(キャンディデコホリック)」というウェブサイトを運営して、海外のアクセサリー作家へ向けてパーツを販売しています。

ー全て英語のウェブサイトなんですね!
アメリカやイギリス、カナダなど英語圏からの注文がメインなんです。日本のかわいいパーツが手に入りにくい海外だからこそ、需要があるのだと実感しています。多い時は月100件以上の注文があったこともあるんですよ。
ー写真もとってもステキ。
自分が選んで仕入れたパーツで「あんなの作りたいな」「このパーツでこんなジュエリーにしたら...」と作り手にインスピレーションを与えられるようなサイトを心がけているんです。商品の写真撮影にも自然光を取り入れたり、綺麗なお皿を使ったりと気を配っています。

ーなるほど。まずはご自身の紹介と、英語に興味を持ったきっかけから。
神奈川県横浜市の生まれで、小学6年生のときに両親の出身地である北海道へ引っ越してきました。
初めて海外の文化に興味を持ったのは中学生のころ。部活動でバドミントンに打ち込む忙しい日々でしたが、そんな日常に彩りを与えてくれたのが海外ドラマだったんです。

▲サイトには日本の「kawaii」文化を象徴するようなアイテムがズラリ。カラフルなコチラは、アクセサリーや携帯ケースをデコレーションする「デコパーツ」と呼ばれるものです。

ーどんなドラマを?
アメリカのファミリードラマやコメディドラマが中心です。当初は吹き替えで見ていましたが、次第に俳優さんの本物の声で理解したいという気持ちが強まり、高校生の頃には英語で視聴するようになっていきました。

ーそれで、留学へ行かれていたのですね
周囲にも海外ドラマや洋楽に興味を持つ人が増えていき、自然と「将来は英語を生かした仕事を」と意識するようになっていきました。それで、卒業後は短期大学の英文科へ進み、オーストラリアのメルボルンへ短期留学に行くことにしたんです。

海外で得た、度胸とやってみよう精神で起業へ。

▲ホストファミリー一家と中村さん(提供写真)

ー大好きな英語につかる生活ですね。楽しかった?
それが...慣れない環境にホームシックになってしまいました(笑)。でもある日、ホストファミリーの10歳くらいの子がそんな私を見て、ゲームを持ってきてくれたり話しかけてくれたりしながら慰めてくれたんです。自分より小さな子がそんな風に接してくれるのを目の当たりにしたら、なんだか吹っ切れちゃって。
その出来事を機に「環境は自分で変えればいい」と考えられるようになり、「度胸」や「やってみよう精神」が身についていきました。

ー留学にはどのぐらい?
4ヶ月です。正直、英語力は思ったほど成長しませんでした。ただ、留学を機により英語を学びたいというスイッチが入りました。帰国後に大学に在籍していた留学生と交流を持ったり、ひたすら海外ドラマを見たりしているうちに、自分でも実感できるほど英語力がグンと上がって。その後、短大で2年間の課程を終了したのち、大学へ編入。英語だけでなくコミュニケーション学や心理学を学んだのち卒業しました。

▲留学中の中村さん。留学してみて「世の中には知らないことがたくさんある」と実感したそう(提供写真)

ー初めての就職は
英語を活かした仕事に就こうとしたものの難しく、ある大学の事務員として働き始めました。

ーそこからなぜアクセサリー販売の道へ?
学生時代に親しくなったさまざまな国の方と交流を続けていくうちに、語学全般に興味を抱くようになって。ずっと話せるようになりたいと思っていた韓国語の講座を見つけ、受講することになりました。そこで仲良くなった友人と一緒に趣味でアクセサリーづくりを始めたんです。
海外のかわいいパーツを使ってアクセサリーを作りたいとインターネットで探していたら、とあるオンラインショップで世界中のパーツが販売されていました。ふと「自分も何か売れるんじゃないか」と思い、手始めに日本のアクセサリーパーツを販売してみることにしたら、意外にもすぐ売れて。

ーまさに、留学時代に身に付けた「度胸」と「やってみよう精神」ですね。
そのまま1個2個と販売数を重ねるうちに「こんなパーツもある?」と問い合わせも相次ぐようになって。ビジネスとしてやっていけると確信し、事務員の仕事を辞めてその道へと振り切ることにしました。2007年のことでしたね。

子育てとの両立のコツは「諦めの気持ち」

ーご結婚はいつごろ?
パーツ販売を始めた26歳の頃、結婚しました。 長男を出産したのが3年後の29歳の時です。

ーではご出産時既に起業されていたんですね。両立には苦労しなかった?
ネットショップだからこそ簡単に開け締めできますが、子どもたちの体調不良や家庭行事なんかでお店を閉めれば注文も減るし、後になって売上を立て直すのが大変ですね。仕事が進まないことへの焦りも出てきます。
ーどうやって解消をしているのですか?
そんな時こそ、素直に「諦めの気持ち」を持つことです。仕事でも家庭でも、自分の代わりはいません。自分が体調を崩すとさらに大変になってしまいますから、無理をせず諦める時は諦めています。
でも一人だからこそのメリットもあって、会社員時代のように一緒に働く人に迷惑をかけていると思うこともないですし、今日は午前中だけ仕事しようとか働く時間は自分で決められるのはメリットですね。

ー海外のお客様とコミュニケーションを取るのは難しいと感じますか?
顔は見えないし、物理的な距離だって遠いけど、存在はとても近く感じるんです。「子どもが熱をだしたので、発送が遅れます」と伝えると、共感を覚えて理解してくれやすいのも海外の方かな。
あと、思ったことをストレートに伝えてくれる面も嬉しいですね。「商品のチョイスが最高!」とか「欲しいものがあり過ぎて選べない!」とか(笑)。東日本大震災や北海道胆振東部地震のときにも「大丈夫?」って心配してくれるメッセージが何十件も届きました。
ー両立をする上で大事にしていることはありますか
休むときは休むこと。日曜日は仕事のメールを開かないことです。開いた時にクレームとかだと落ち込むので(笑)。あとは、庭の土いじりをしてストレス発散しています。
ー今後はどのように展開を?
大きくしたいという気持ちは無く、自分の無理のない範囲で、細く長く続けられたらいいかなと思っています。

ー何かを始めたいと思っている方にメッセージを送るとしたら?
まずはやってみることが大事だと思います。私自身も勢いでスタートし、やってみたら「意外にいけるかも」と、今も続いているから。大事なのは小さな初めの一歩。踏み出しさえしたなら、その後は少しずつ修正していったらいいと思います。

ーありがとうございました!

2児のママ
中村 裕里子さん