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○○ママの好きなこと・大切なこと COCOから始まる新しい自分

2022年9月13日 公開 / 2024年10月26日 更新

COCOスペース西岡 代表 今野純子さん

豊平区西岡で一軒家をまるごとコワーキングスペースにした「COCOスペース西岡」。この場所を運営する今野純子さんは、2児の子育てをしながら長年、不動産営業の仕事に奮闘してきました。独立起業したきっかけや、ご自身が目指している居場所づくり、子育てについて、たっぷりとお話を聞きました!

Contents

1.お金のためだけではない「ライフワーク」に惹かれて
2.利用者のワクワクを叶えるスペースに
3.子育てから離れ、新しい自分を見つける場所

お金のためではない「ライフワーク」に惹かれて


ー起業まではどんなお仕事を?

不動産会社の営業として一般のお客様にアパートをオススメしたり、物件に店舗やオフィスを誘致したりする仕事をしていました。

ーどうして起業しようと思ったんですか?
6年ほど前から、札幌市男女共同参画センターで運営する女性向けのコワーキングスペース「リラコワ」(北区北8条西3丁目、エルプラザ内)を仕事で利用をし始めたんです。ところがある日、委託を受けていた企業の都合により半年ほど閉鎖される事に...。私も含め「無くなっては困る!」と思ってる人たちがたくさんいましたので、みんなで半年間だけ運営をする事にしたんです。


ーへー!はじめはいち利用者だったんですね

運営側になってみると、起業家の方、複業をしている方、ハンドメイドが趣味の方、子育て支援の集まり...と、利用しているさまざまな方と交流して、とても刺激を受けたんです。


ーそれまでは仕事一筋だったんですか?

そうです。20年近く勤めて、それなりにお給料も良くて、特に不満は無かったんですよ。

でも私にとっての仕事とは、食べるため、生活のために行ってきたこと。しかし、「リラコワ」に出入りする方々は皆さん、仕事はもちろん、無償のボランティアでも好きな事を全力で、言わば「ライフワーク」として楽しんでいる。そんな姿がキラキラと輝いているように見え、自分らしく活動されたい方を応援したいと思いました。そして、その方たちが自己実現できる場所を作りたいと考えたんです。とてもワクワクしましたね。

吹き抜けで明るく、広いコミュニティースペース。利用料金は1時間1人300円とリーズナブル。キッチン付き(利用無料)のため料理教室はもちろん、交流会やパーティにも使用できます(提供写真)

利用者のワクワクを叶えるスペースに

ーではその後すぐにこの場所へ?
いえ、普段は自分が人に物件を紹介しているんですけど、いざ自分で探すとなるとひと苦労(笑)。希望条件に合う物件がなかなか見つからず、4、5年はかかりました。

ーどんな条件が必要だったのでしょう?
お金の事もありましたけど、何より駐車場付きの物件です。ハンドメイド作家の方はジャンルによってとても荷物が多くなるので、車がなければ持ち込むのも精一杯。また子育て中の方にとっても車が一番ラクな移動手段ですよね。

さらに近隣に迷惑がかからず、金額も見合う物件となると...。諦めかけていた時、たまたま自宅近所のコチラの物件を発見。それで長年勤めた会社を退職し、2020年10月にコチラをオープンしました。

ー広くて駐車場も利用しやすい場所ですね。現在はどんな方が利用を?
近隣にお住まいのフリーランスの方が打ち合わせをしたり、町内会の会合を開いたり、演奏会などのイベントを開いたりと用途はさまざま。ご利用頂いている総数は...50団体ぐらいでしょうか?その中でも子育て系のイベントはおよそ半数を占めているほど多いですね。

ー施設の特徴は?
できるだけリーズナブルに利用しやすく、公共施設と同じくらいの低価格で提供しています。一方、公共だと飲食や物販NGだったり、調理で火を使ったり香りが出るのは禁止、当日の時間延長も不可能など制約が多いケースもありますよね。ウチはアロマ系や料理教室の開催、お子さん連れでの利用、急な時間延長も予定がない限りOK。私は何か始めようとワクワクしている人の希望を、可能な限り支援していきたい。そんな理由から、ご要望には臨機応変に対応するようにしています。
ーコロナ禍でのオープンのようでしたが、影響は?
オープン時はちょうど多くの公共施設や飲食店が閉まっている時でした。「もしかして需要がないのでは」と思いきや逆。「他に空いている場所がない」とご利用を希望される方々が多くいました。広いので感染症対策も取りやすく、プライベートなスペースも充分にある点が理由として大きかったと思います。

会議室は1室500円。家にいるような感覚でリラックスしてミーティングが進められそうです。

リモートワークや勉強がはかどる集中スペース(1時間500円)。おしゃべりは禁止。

子育てから離れ、新しい自分を見つける場所

ー子育てイベントが多いとのことですが、ご自身も育児を支援したいという思いがあるのでしょうか?
私自身、働きながら2人の子供を育てるのにかなり苦労したんです。仕事柄遅い時間に内覧が入ったり、夜の7時や8時にお客様のところへ行かなければならない時があったりと両立はなかなか難しいことでした。両親や親族も札幌市内にはいなくて、人に預けるのもひと苦労。子供という命に1人で向き合わなきゃいけないという責任感が何よりも辛かった。そんな時に助けになったのがママ友の集まり...つまり、今私がやってる事と同じく「コミュニティ」なんです。

ーなるほど!
はじめは産後の母親教室で何人かと親しくなり、10人ほどのママと仲良しになりました。当時は些細なことでも不安がいっぱいだった時期。「子供が土を食べちゃった」とか「熱が下がらない」とか、今考えたら小さな出来事も大きな問題としてとらえてました。そんな時にみんなに相談して、みんなで調べたり、共有したりできた事が大きな力になったんです。今では長男が高校3年生、長女が中3になりましたが、今でもときどき集まるほど仲良しなんですよ。

ー今のお仕事と繋がる部分がありそうですね
実はこの場所に来るママの中にも「子育てが楽しくない」「実はもう限界だった」と打ち明ける方もいらっしゃいます。誰だって、そうゆう時はあると思うんです。けどコミュニティに参加すると、「一歩踏み込んで良かった」と思ってくださる方がほとんどなんです。

ママになると子育てから少しでも手を離れると、罪悪感を抱いてしまいがち。けれど少しは離れる事も大切なんですよね。
ー自分もそうやって救われたからこそ...
子どもの悩みは年齢により変化していきます。だからこそ、大変だけどやりがいのある長い子育て期間、ママも楽しみながら、自分の人生を生きることも必要なんです。

ーここがどんな場所になることを目指していますか?
みなさんにとっての家と職場に次ぐ第三の居場所、言わば「サードプレイス」になってくれたらいいなと思います。「COCOから始まる新しい自分」。この場所がみなさんにとってのスタート地点となりますように。そんな意味もこのネーミングには込められているんです。

COCOスペース西岡 代表
今野純子さん

COCOスペース西岡Instagram:@cocospace2020