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2023年12月8日 公開 / 2024年10月11日 更新

合同会社ベビーシッターサービスまかな 森清 希里さん

札幌でベビーシッターサービスの会社「まかな」を経営する森清希里(もりきよ・ひかり)さん。2015年に起業し、現在では約40名のシッターが在籍する会社です。プライベートでは、8歳の男の子と4歳の女の子の子育て中ママでもある森清さんが、なぜ自身でベビーシッターサービスを始めようと思ったのか、お話を伺いました。

Contents

1.引き寄せられるように、保育の道へ
2.働けないなら、起業しよう
3.育児に決まりはない!もっと子育てを楽しんで

引き寄せられるように、保育の道へ

ーベビーシッターサービスの会社を経営されていると伺ったのですが、
 森清さん自身も保育士資格と幼稚園教諭資格をお持ちなんですよね。

はい。元々は上川の愛別町出身で、高校まで愛別で暮らしていました。子どもが好きで15歳離れた姉の子どもと遊ぶ機会も多く、「子どもに関わる仕事に就けたら」と漠然と考えていましたね。母からも「希里は保育士に向いている」と言われていたので、自然とその道へ。ただ保育士も幼稚園教論も資格が必要なので、江別の大学に進学しました。

ー森清さんのお母様からも太鼓判を押されて、保育の道へ。
理由は、聞いたことがないんですけどね(笑)。でも、母の見立ては間違っていなかったですね。その後、新卒で札幌の幼稚園に就職。どんなに忙しい中でも、園児に対する声がけやママたちへの配慮がされている園だったので、とても勉強になりました。当時学んだことは今でもパパやママたちとの信頼関係作りに役立つことが多いです。

ーその園には何年くらい勤めていたのですか?
約3年です。その後諸事情で地元の愛別に戻り、近郊の保育園で就職しました。この園は、自然の豊かさを生かした園でした。自然が近いと、子どもたちの表情が好奇心や興味で輝くことを身をもって教えてもらいましたね。
園によって教育に特色がある事を改めて感じ、自分でこどもたちへの教育を考えてみたいという考えが生まれたのもこの頃です。気づきを与えてくれた園は、遠距離恋愛中だった夫との結婚により退職。愛別からまた札幌へ引っ越します。

保護者様の許可をいただければ、シッター中に散歩や公園遊びなども行い、子どもたちが喜ぶ保育を心がけています。(提供写真)

働けないなら、起業しよう

ー札幌に戻ってから、また就職されたのですか?
保育園や幼稚園ではなく、登録制の派遣ベビーシッターの仕事をはじめました。これがすごく楽しくて。自分が預かるお子さまに「どんな喜びや気づきを与えられるだろう」と、いつも考えて保育していました。その頃印象に残っているのが、お手伝いさんがいるほど裕福で豪邸にお住まいのマダムから「あなたに依頼してよかった」と言われたことです。その時の私はまだ妊娠出産前の20代前半。シッターには年上の子育て経験者の方が多い中で、評価されたことが自信に繋がっていきましたね。

ーそれは嬉しいですね。
シッターという形で子どもとふれ合うのが、私には合っているかもしれないと思っていたころに、第一子を妊娠します。子どもができたことが嬉しくて「自分の子どもと遊べるんだ!」と純粋に喜んだ事を覚えていますね。妊娠とともにシッターの仕事からも離れ、産後も楽しく子育てしていたのですが...。夫だけの収入だけでは、家計が徐々に回らなくなり、働くことを決意しました。

ーどんなお仕事を探したのですか?
保育関係で探したのですが、なかなか自分の条件に合う仕事が見つからず...。そもそも私が住んでいる地域は待機児童が多くて、保育園に預けられなかったんです。この時は「私、社会に必要されてない?」と思うくらい落ち込んでしまったのですが、家計がかかっているのでずっと落ち込んでもいられません。そこで、違う働き方を考えます。

ー違う働き方というと...。
個人事業主として起業しました。自分が働いてきた中で一番楽しかったベビーシッターの仕事で、起業しようと思ったんです。「起業する」と大学時代の友人に話したら「働くよ!」と言ってくれる子もいて。はじめは3名のシッターと私の4人でスタートしました。

今では39名のシッターが在籍(2023年10月現在)しています。シッターを依頼する層も、共働き家庭が増えつつあるそうです。(提供写真)

ーすごい行動力ですね。起業への不安はなかったですか?
正直言って不安は、かなりありました。でも、息子の預け先もないし、仕事も見つからない。自分が働くには、この方法しか思いつかなかったんです。シッターは担当してくれる友人がいるから、私は経営と営業に回ろうと考え、ひたすら営業電話をしては断られるという日々が続きました。毎日毎日数えきれないほど電話して、起業してから半年後にようやく大口のクライアントが決まり、そこから一気に軌道に乗り始めます。

(提供写真)

ー息子さんの預け先は見つかったのですか?
認可保育園には結局入れず、起業準備期間は息子をおんぶして札幌商工会議所で書類を作成していました。最初はおりこうさんでも、徐々に飽きて暴れてしまう息子と格闘する日々でしたね(笑)。起業準備を終えた後は認可外保育園に預けて営業活動をしていました。

育児に決まりはない!もっと子育てを楽しんで

ー事業が軌道にのり、息子さんの預け先も見つかって、一安心です。
そうですね。両方とも良いタイミングで動いてくれたので、動いていなかったら今ごろどうなっていたのか(笑)。その後、娘の出産と合わせて2019年に法人化し、合同会社ベビーシッターサービス「まかな」に成長させます。ちなみにこの時も、娘をおんぶして法人化の書類を用意していました(笑)。
「まかな」はハワイ語で「大事なもの」なので、パパやママにとっても、そして私たちにとってもお子さまは「大事なもの」という意味を込めて名前を付けました。

ー森清さんのそのパワフルさは、どこからやってくるのですか?
当初は家計のための起業でしたが...振り返ってみると、そもそも私は余裕がなく追い詰められた状態のほうが力を発揮し、物事がはかどるタイプなんですよね。
ー会社経営は多忙なイメージですが、子育てと両立するポイントはありますか?
私の場合は近所のママ友たちとの集まりが息抜きです。食事を持ち寄って晩御飯を一緒に食べることが多いんですよね。その中で、子育ての悩みを分かち合ったり、大変だったことを聞いてもらったりしています。たくさん喋って笑うと、寝る前に「明日も頑張ろう」と前を向けますね。

ー素敵ですね、育児を頑張っているママたちに向けてメッセージをお願いします。
今の世の中SNSやネットの育児情報で、がんじがらめになってしまっているママが多いです。その枠を取っ払ったらもっと育児が楽しくなるんじゃないかなって思います。 私は子どもが2人いますが、性格が全く違うんですよね。特に娘は、活発な性格で少し気を使って接している時期もありました。でも友人にそんな娘の悩みを相談したところ「すごくおもろい子だね!」と笑ってくれたんです。「育児はこうじゃなきゃいけない」と、固定概念にとらわれてしまっていると気づかされて、肩の荷がおりたように育児を楽しめるようになりました。
ぜひこの記事を読んでいるママたちも、肩の力を抜いて育児を楽しんでほしいです。

ーありがとうございました!

合同会社ベビーシッターサービスまかな
森清 希里さん