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○○ママの好きなこと・大切なこと 「頑張らない」を頑張る!

2024年3月15日 公開 / 2024年10月11日 更新

フローリスト「Branch flower」オーナー 市川総枝さん

フローリスト「Branch flower」オーナーの市川総枝さん(@branch.flower.sappro)は、中学2年生と小学5年生の男の子のママ。オーダーメイドでフラワーアレンジメントや、子ども向けに花のワークショップを行っています。穏やかに花を束ねる姿からは想像できないほど、過去には仕事と子育ての両立について葛藤があったそうです。「子育ても仕事も、今は良い感じに両立できている」と笑う市川さんにお話を伺いました。

Contents

1.花と関わるきっかけは、ある人の一言から。
2.家族会議でわかった、子どもたちの本音。
3.子育ては、今しかできないスペシャルなこと。

花と関わるきっかけは、ある人の一言から。

▲市川さんとお取引がある株式会社saku.to&coに取材撮影場所をご提供いただきました。

ーお花に興味を持ったきっかけを教えてください。
父の影響です。実家がお菓子屋を営んでいて、両親が元気に菓子づくりをしている姿を見るのが幼心に楽しかったのを覚えています。「いつか継ぎたい」と思っていましたが、父が遠方でお土産を買ってきて状況が変わりました。そのお土産、お菓子と花がセットになっていてとっても素敵だったんですよね。感極まった父から「総枝、花を学んでほしい」と、花の専門学校への進学を勧められて。

ーそのまま進学を?
はい(笑)。通ってみると楽しくて、花の世界にのめり込んでいきました。フラワーアレンジメントの他にも、冠婚葬祭花のマナーなど教養も学ぶ事ができて、一通りの花の知識を身につけました。

ー専門学校卒業後は、お店を継いだのですか。
継ぎませんでした。その頃には「花に関わる仕事がしたい」と、お菓子に興味を持てなくなっていて...。私は花の卸売会社に就職しました。

ー就職してみていかがでしたか?
楽しかったですね!やりたいことを目一杯やらせてもらって、今思い出しても感謝しかありません。会社で花の新しい店舗を出店するタイミングには、立ち上げも経験させてもらって。とにかく毎日が充実していました。

ー楽しくお仕事されていたのが、伝わってきます。
ただ長男を出産してからが大変でしたね。当時、会社は私が初の女性社員でしたから、当然、産休育休の取得をするのも私が初めて。「出産前と同じように働かなきゃ」と、どこか自分を追い詰めていたところがありましたね。次男を出産後も、その考えは変わりませんでした。
ー子育てと仕事の両立に悩むママは多いですよね。
「やるなら成果を残さなきゃ」と仕事に邁進する一方で、自分の「理想のママ像」に追いつけていないと落ち込むことも多くて...。下の子が小学校に上がる頃に、上の子に「俺はママが忙しくても大丈夫だったけど、弟は違うと思うよ」と言われてハッとしたんです。

ーお兄ちゃん、すごく冷静に家族をみてる。
「頑張ればなんとかなる」と思って頑張っていたけど、それで家族に寂しい想いをさせるのは違うと感じて、会社に退職を伝えました。

家族会議でわかった、子どもたちの本音。

ー退職後はどのように過ごされたんですか?
退職する時に社長から、私が作った花雑貨をお店で販売してみないかと声をかけられたんです。ただ複数店舗に卸すとまた同じように忙しくなるかも...と思い、1店舗だけで販売することにしました。

ー素敵な社長さん!
これがきっかけで自分でもフラワーアレンジメントの仕事をしてみようかなと思ったんですよね。前職の繋がりで花の仕入れ先などにも困らなかったので、自分で仕事はできる状態だったんです。
ただ仕事を始めるにあたって、家族会議をしました。「またお仕事を始めようと思うんだけど、どう思う?」と、当時10歳と7歳の息子に聞いたんです。

ー息子さんたちの反応は?
「家事は俺たちでもできるし、ママには好きなことをしていてほしい」と言ってくれて。特に一番覚えているのは長男の「でも俺たちの話を笑って聞けないくらい、疲れるのだけはやめてね」と...。受け入れてくれたことへの感謝の気持ちと、これまでの反省で、泣き出しそうになってしまいましたね。
ーそれはジーンときます。
私は頑張りすぎてしまうので「家事も子育ても仕事も、全てが完璧なママにならなくちゃ」と気を張っていたのですが、家族は「頑張らないで、そのままのママでいいよ」って思ってたみたいです。その言葉を聞いてからは「頑張りすぎないように頑張る」ことを心がけるようになりました。

ー市川さんの心に大きな変化が起きたんですね。
そうですね、家の掃除や洗濯ができていなくても、実は家族は気にしていなかったんです(笑)。子どもたちと話したことで、心のつかえがとれて、純粋に仕事を楽しめるようになりました。

子育ては、今しかできないスペシャルなこと。

ー現在はお花のアレンジメント以外にも活動をされているとか。
子どもたちに向けて「花育」という、アレンジメントのワークショップを定期的に行っています。子どもが自由な発想でつくる作品は、どれも面白いものばかりで刺激をもらいます。

▲ワークショップでの市川さん(提供写真)

ー子どもたちの作品はいきいきしていそうですね。
大人が指示や指導をしてしまうと、子どもたちの個性的でのびのびとした発想がしぼんでしまって勿体ないと思うことがあります。大人が気に入る作品ではなく、こどもたちが純粋に良いと思えるものを自由に作れるよう、今後も花を通して伝えていきたいです。

ー今後やってみたいことはありますか?
お客さまから求められたことに対して、ひたむきに向きあっていきたいと思っています。先日は初めてカフェの店内全体をドライフラワーで装飾させてもらったんです。こうやって挑戦できる環境にいれることに感謝しつつ、少しずつ前進していきたいですね。

▲「市川さんのアレンジメント。ショップカードは義理の妹が書いてくれたそう。

ー子育てを頑張っているママたちへメッセージをお願いします!
子育ては忍耐の時期じゃなくて、一度きりのスペシャルな時期だと思っています。特に乳幼児時期は、体力的にも精神的にも大変なことが多く、ママがやりたいことができないことも多いでしょう。でも、子どもは少しずつ自立して手を離れていきますから、必ずママのやりたいことができる時期がやってくるはず。それまでは、その特別な時を心いっぱい楽しんでほしいなと思います。

ーありがとうございました!

フローリスト「Branch flower」オーナー
市川 総枝さん

市川さん Instagram:@branch.flower.sappro
Branch flower Webサイト:https://branch-flower.net/