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2024年3月5日 公開 / 2024年10月11日 更新

撮影者 冨士 朝未さん

ファミリーの日常を写真や映像で記録する「撮影者」の肩書きで活躍する冨士朝未さんは、現在6歳の男の子と3歳の女の子を育てるママ。テレビカメラマンの経験を経て、結婚を機にフリーランスに転身、出産後も撮影の仕事に携わっています。子育てしながらも、自分の好きなことを続ける冨士さんにお話を伺いました。

Contents

1.育児は孤独?助けてくれたのは仕事と近所のママ友
2.「日常の撮影」をしてみたい
3.前向きに進めば、道はひらける

育児は孤独?助けてくれたのは仕事と近所のママ友

ーテレビカメラマンとしてご活躍されていたと伺いました
短大卒業後、札幌の映像制作会社で12年間、報道やドキュメンタリー番組の撮影をしていました。短大では、デザイン系を学んでいたのですが、絵やデザインを仕事にするのは違うかなと感じていて...。カメラに触れる機会があり、映像の面白さに魅了されて映像制作会社の扉をたたきました。

ー映像制作の世界に飛び込んだんですね
「やるからには頑張ろう」と入社しましたが、女性が少ない業種なのでまわりからは「3ヵ月でやめるだろう」と思われていたようです。テレビカメラマンは、重い機材を扱うので圧倒的に男性が多いんですよね。確かに体力的にきついこともありましたが、仕事は楽しかったです。

ー差し支えなければ、退職の理由を教えていただけますか
結婚を機に退職しました。元々フリーランスになりたかったので、結婚が節目になると思ったんです。ひとりでゼロから始めるつもりでしたが、退職前に上司が「フリーになっても、うちと契約してテレビカメラマンを続けてほしい」と声をかけてくださって。今でも、この会社からの依頼でカメラを回しています。

ーそれは嬉しいですね
その後はフリーランスのテレビカメラマンとして働きつつ、2017年に第一子の長男を出産。産後、長男が保育園に入るまでも可能なときは依頼を受ける形で、セーブしながらも仕事は続けていました。

ーフリーランスは、育休の制度がないですもんね...
私は産後少しずつでも仕事ができて、気持ち的にはラクでした。人生の中で働いてる年数の方が子育てよりも長かったし、子育てって孤独だなって感じることも多くて...。

ーどんな時に孤独を感じたんですか?
ワンオペの時間に感じることがありました。ただ近所のママ友に「お子さん、少し見てようか?」と何気なく言ってもらえたのが、すごくうれしくて。気遣ってもらえた一言で「私ひとりじゃないんだ」と、心がほぐれる感じがしました。

▲ご自宅の壁一面には、息子さんが書いた絵がズラリ。当時は孤独を感じた子育ても、子どもの成長から発見することも多く楽しく思えることも増えたそう。

「日常の撮影」をしてみたい

ーフリーランスだと、2020年からのコロナ禍で仕事が激減したのでは...
コロナ禍の影響で仕事依頼が少ないことはありましたね。あと第二子の長女出産が2020年なんです。この時期は、こどもたちへの感染リスクを考えると仕事を受けられませんでした。ただその分、昔やりたかったことを思い出せる時期でもあって...。

ーどんなことを思い出したんでしょう?
映像制作会社に所属していた時に「日常を撮影してみたい」と思っていたんです。テレビは、物事が起きてから現場に撮影に行くことがほとんどなんですよね。なので、なにも起きない平穏な日常に魅力を感じていたのかもしれないです。

▲冨士さん撮影(ご提供写真)

ーそうなんですね。どんな日常を撮りたいと思ったんですか?
映像編集の方に、子どもの撮影を褒められることが多かったので「自分の得意な被写体で日常を撮影するのが良いのかも」とは思っていましたね。子どもたちが生まれてからは、成長を記録することの大切さに改めて気づいて「ファミリーの日常を撮影したい」という気持ちが強くなりました。

ーそのエピソードが今の撮影の形につながっていると。
はい。2022年からは自分でホームページを立ち上げ「TOTTOCO MOVIE(トットコムービー)」という屋号で、少しずつですがファミリーの日常撮影を始めました。

前向きに進めば、道はひらける

ー最近では映像だけじゃなく、写真撮影もしているとか?
2022年の秋から写真撮影も行っています。映像撮影を行っているときに「写真も撮れますか?」と声をかけてもらうことが多く、独学で写真を学んでいます。同じ記録でも声や動きを残せる映像と、一瞬の表情を切り取る写真とでは、残せるポイントが違うことがおもしろいです。
ー最近しゅふきたのイベントでも、フリーランスに興味のあるママが増えています
フリーランスは時間の融通がききやすいので、子育てしながらでも働きやすいかもしれませんね。私もまだ働き方を模索している部分はありますが、もしフリーランスにチャレンジするのであれば早ければ早いほどいいと思います。思い立ったら吉日です!

ーフリーランスを目指しているママにアドバイスがあればぜひ!
仕事の依頼がきても、子どもがいて身動きがとれないことが何回もありました。そのことで「仕事がなくなるかも...」と、ママの気持ちが焦ることは当たり前です。でも焦る気持ちを認めてあげて、前に進めば何かしらの道はひらけるはず。正解を決めずに、仕事と子育てを楽しむのがママがフリーランスを続けるコツだと思います。

ーありがとうございました!

撮影者
冨士 朝未さん

TOTTOCO MOVIE Webサイト:https://tottocomovie.com/
冨士 朝未さん Instagram:@tottocomovie