ーテレビカメラマンとしてご活躍されていたと伺いました
短大卒業後、札幌の映像制作会社で12年間、報道やドキュメンタリー番組の撮影をしていました。短大では、デザイン系を学んでいたのですが、絵やデザインを仕事にするのは違うかなと感じていて...。カメラに触れる機会があり、映像の面白さに魅了されて映像制作会社の扉をたたきました。
ー映像制作の世界に飛び込んだんですね
「やるからには頑張ろう」と入社しましたが、女性が少ない業種なのでまわりからは「3ヵ月でやめるだろう」と思われていたようです。テレビカメラマンは、重い機材を扱うので圧倒的に男性が多いんですよね。確かに体力的にきついこともありましたが、仕事は楽しかったです。
ー差し支えなければ、退職の理由を教えていただけますか
結婚を機に退職しました。元々フリーランスになりたかったので、結婚が節目になると思ったんです。ひとりでゼロから始めるつもりでしたが、退職前に上司が「フリーになっても、うちと契約してテレビカメラマンを続けてほしい」と声をかけてくださって。今でも、この会社からの依頼でカメラを回しています。
ーそれは嬉しいですね
その後はフリーランスのテレビカメラマンとして働きつつ、2017年に第一子の長男を出産。産後、長男が保育園に入るまでも可能なときは依頼を受ける形で、セーブしながらも仕事は続けていました。
ーフリーランスは、育休の制度がないですもんね...
私は産後少しずつでも仕事ができて、気持ち的にはラクでした。人生の中で働いてる年数の方が子育てよりも長かったし、子育てって孤独だなって感じることも多くて...。
ーどんな時に孤独を感じたんですか?
ワンオペの時間に感じることがありました。ただ近所のママ友に「お子さん、少し見てようか?」と何気なく言ってもらえたのが、すごくうれしくて。気遣ってもらえた一言で「私ひとりじゃないんだ」と、心がほぐれる感じがしました。