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○○ママの好きなこと・大切なこと 夢も子育ても自分のペースで。月寒で小さなお弁当屋を営むママ。

2024年6月21日 公開 / 2024年10月11日 更新

弁当惣菜 shio 石尾 恵さん

札幌市豊平区にある自転車専門店「サムズバイク」の一角で営業する「弁当惣菜 shio(しお)」。今回お話を伺うのはこの店の店主、石尾恵さん。7歳の娘と4歳の息子を育てながら、自身のお弁当屋を切り盛りするママです。お弁当屋を始めたきっかけや、仕事と子育ての両立についてお話を伺いました。

Contents

1.結婚後から始まった、料理の道。
2.逆風が、いつからか追い風に。
3.自分らしくいれば、仕事も子育ても良い方向に。

結婚後から始まった、料理の道。

ー本格的な料理はいつごろから?
実は夫と結婚してからなんです。夫から「だし」をきちんと取ることを教えてもらって。それまで既製品の顆粒だししか使ったことがなかった私は、ひと手間かけるだけで料理の味がこんなに変わるなんて驚きを隠せませんでした。

ー意外です!
料理をすることは元々好きだったんですけど、こだわるというほどではなかったんですよね。それからは、合わせ調味料なども使わず自分で作るようになりました。友人を自宅に招いて料理を振る舞う機会も自然と増えていきましたね。

ーでは、自宅で腕を磨いたのですか?
ネットや本の知識だけだと、なかなか成長できないと感じることもあり、女性料理人が作る家庭的な和食料理のお店でアルバイトを始めました。実際に調理風景を見ると勉強になることが多くて、日々新しい発見があったのですが、第一子を妊娠したのをきっかけに和食店を退職。出産後は人手が足りない時などに前職のお店で単発のアルバイトを引き受ける程度でしたね。
ーお店をはじめたきっかけは?
それから3年後に、第二子を出産しました。産後も長期的に働くという選択肢はなかったのですが、4ヶ月ほど経った時に、友人が仕事に忙しいあまり、昼食もまともにとっていない状況を知りました。そこで、友人に栄養たっぷりのお弁当を作ったんです。

ーそれは嬉しいですね。
このやりとりを見ていた別の友人から「自分でお店を始めてみたら?」と、提案されたんです。「お店を持てたら楽しそうだな」と、私も興味は持ったのですが、その時は飲食店を開業するイメージだったんですよね。開業するためには借金して場所を借り、売上確保のためには夜も営業する必要があるかも...と、お客さまに美味しい料理を食べてもらうことよりも、お金や時間の心配の方が強く、あまり明るい未来を想像できませんでした。

ー小さなお子さんもいらっしゃいますし、わかります。
その時、子どもたちはまだ3歳と0歳だったので...。夜に幼い子どもたちを家に置いて働くのは、難しいと思っていましたね。だけど、お店を持つ夢を諦めたわけではなく、テナントの空き情報を探したり、違う形で飲食店を開業できないかなど継続的に情報収集は続けていました。

逆風が、いつからか追い風に。

ー情報収集も大変ですよね。
自分にとってベストなお店の形が見つからないまま、世の中ではコロナが蔓延し始めました。その影響を飲食業界全体が受けているのを見て、一般的な飲食店のオープンは厳しいと思っていましたね。ただ私の状況を見ていた友人が「お弁当屋さんだったら、できるんじゃない?」と一言。お弁当なら厨房があれば良いし、コロナ禍でテイクアウトブームもあったので、お店を持てるかもしれないと思いました。

ー石尾さんの友人はいつも適切なアドバイスをくれますね。
優しくて、思いやりのある友人ばかりでいつも頼ってばかりです。今お店を借りている「サムズバイク」の松浦奈美さんと出会えたのも、友人からの紹介でした。事情を説明したらすぐに快諾してくれて、逆にこちらが大慌てしたくらいです(笑)。約4ヶ月の準備期間を経て、「弁当惣菜shio」はオープンしました。
ーオープンから今年で3年目を迎えますが、心境はいかがですか?
最初の頃は販売目標数や必ずこの食材を使うと決めてしまい、心の負担になることが多かったのですが、今はあまり決めすぎずに自分のペースで営業しています。おかずを考える時も、八百屋や魚屋で見つけた旬の食材をベースに考えているので、ゆったりとした気持ちで調理できるようになりましたね。

自分らしくいれば、仕事も子育ても良い方向に。

ーお客さまはどんな方が多いですか?
さまざまなお客さまのご来店がありますが、親子で来られる方も多いです。「うちの子、野菜が好きじゃないけど、shioのお弁当に入っている野菜はパクパク食べるんですよ」と一緒に来ているママから声をかけてもらうこともあり、嬉しい限りです。義母が料理上手なので、味見をお願いして感想をもらったり調理方法を工夫して野菜を食べやすくしていますね。
ーご自身のお子さんたちは、好き嫌いはないですか?
好き嫌いはありますが、子どもが食べないのは「園や学校では頑張るけど、家では頑張りたくない」という、ママへの甘えの部分もあるのかなとも思っていますね。食べない事に神経質になった時期もありましたが、今は「お味噌汁だけしっかり食べれば良い」と、食事を楽しむように切り替えています。

ー子育てをしていて、最近悩みはありますか?
新学期が始まって、子どもたちが学校や園に行きたくないと言う時があり、どう接するのが良いのか悩む時はありますね。特に息子はお迎えが最後になる事もあるので、心の中で「ごめんね...」と思いながらも、「ママお仕事頑張るから、ご褒美に今度みんなで遊園地に行こう!」と、家族で楽しめる特別なイベントでお互いの心を鼓舞しています(笑)。あとは私がサムズバイクの奈美さんを母のように慕っているので、悩みをいつも聞いてもらっているんです。奈美さんがいるから、悩みが大きくなりすぎないのかもしれません。
ー仕事と子育ての両立について教えてください。
難しいなと思うことばかりです。言っちゃいけないとわかっていても「早くしなさい」と言ってしまい、自己嫌悪になることも多々ありますね。それでも、お母さんが楽しんで好きなことをしている姿は、子どもの成長にも良い影響を与えると思っているので、これからも自分らしく仕事も子育てもしていきたいです。

ーありがとうございました!

弁当惣菜 shio
石尾 恵さん

instagram:@shio_tsukisams