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○○ママの好きなこと・大切なこと 幼児期以降も子育てサロンへ!元教員ママが切り拓く子育て支援。

2024年8月20日 公開 / 2024年10月16日 更新

子育て支援「Ring」 野原 ふゆさん

「子どものことって誰に相談したらいいんだろう?」「子どもの健康で気になることはあるけれど、病院は大げさ?」「子育てサロンを卒業後はどこで相談したらいいの?」そんなお母さんとお子さんの悩みに応える「Ring」は、2023年6月に元小学校教諭だった野原ふゆさんが開設した子育て支援スペース。野原さんご自身も中2と高3の娘さんを育てるママです。起業の経緯や今後の事業内容について伺いました。

Contents

1.ママになっても続けたかった、教員の仕事。
2.天職を辞めて思い立った起業。
3.目指すは、子どもが大きくなっても来られるサロン。
4.オーダーメイドの子育て支援を。

ママになっても続けたかった、教員の仕事。


ー「Ring」開設以前は小学校で先生をされていたと伺いました

学生時代から学校の先生になりたくて、教育大学に入学、卒業後12年間は小学校教諭として働いてきました。そのうちの8年間は特別支援学級を受け持っていたので、読み書きが極端に苦手だったり、身体が弱く行動に制限があったり、なかなか周りのお子さんとうまくなじめなかったりと、さまざまな悩みを抱えた子どもたちとの出会いがありましたね。

ーお子さんが小さいときの教員生活は大変だったでしょうね。
そうですね。夫も教員だったので、一番の問題は転勤でした。広い北海道でどちらかが遠くへ異動になれば、家庭生活は成り立たなくなってしまいます。私は夫の転勤について行くために、常に期限付き採用枠がある学校を、夫の職場近くで探して申し込むというスタイルで仕事を続けてきました。地方へ赴任していた時はお互いの勤務先や子どもの保育園が何十キロも先なんていう時期もありましたよ。帰ってからの家事は地獄のようでした(笑)。


ーそれを乗り越えても、教員のお仕事は続けたかったんですね。

やはり子どもが好きだったので。私って自分の性格が子どもっぽいからか、本当に子どもと仲良くなるのが得意なんです(笑)。そして仲良くなった子どもたちが、みるみるやる気になって何かに取り組み始める、その変化に立ち会えるというのはこの仕事の大きなやりがいですね。

天職を辞めて思い立った起業。

ー好きだった教員の仕事を辞めようと思った理由はなんだったんですか?
一番は、娘のためです。当時上の娘が中2〜中3の頃でした。高校受験を控え、思春期真っ只中だったこともあって、娘はとても情緒が不安定だったんです。それで、仕事を辞めてまずは私自身が心の余裕を持とうと思って。それまでずっと仕事をしてきたので、いったん家のことに集中したいという気持ちもありました。

ー娘さんはどんな様子でしたか?
やっぱり母親が家にいて「ただいま」「おかえり」という会話が交わされるだけでも、安心した様子でした。実は私も学校現場での教育に限界を感じていて、もっと一人ひとりに合った学習方法を提案したいという思いも芽生えていたところだったので、今振り返れば自分の人生を見直すための良い時間になっていたんだと思います。

ー専業主婦だった期間、具体的にはどのようなことをされていたのですか?
それが...家庭に入ると言いながら、娘の様子が落ち着いた後は絵画教室の講師をしてみたり、放課後デイサービスで働いたりしていました。辞めてみてわかったんです。私働くのが好きなんだなって(笑)。でも、やみくもに何かをしていたというわけではもちろんなくて、教員経験を生かし、子ども一人ひとりにより良い教育の場を提供するにはどうしたらいいのかをずっと模索して、起業を考えていました。

起業はご夫婦で計画されていたのだそう。現在はご主人も同じ建物内で学習塾を経営しています。

目指すは、子どもが大きくなっても来られるサロン。

学生時代は美術部に所属。イラストでコミュニケーションをとるのも得意だそうです。

ーそうして立ち上がったのが「Ring」なんですね。どのような活動をされているんですか?
午前中は「ママくつろぎカフェ」や「発達が気になる子の子育てしゃべり場」、予約制の「カウンセリング」、「体験型セミナー」などを実施しています。「ママくつろぎカフェ」や「発達が気になる子の子育てしゃべり場」は、些細なことでも相談したいと思った人にどんどん来てほしいですね。

手づくりのToDoリスト。できたものからマグネットで留めていくと、やるべきことが自分でわかる。

ー野原さんもこれまで子育てをしてきた中で、誰かに聞いてほしいと思ったことはありましたか?
ありましたありました(笑)。幸い私は夫も教員、周りの友人や知人も教員が多かったので、よく相談させてもらっていました。就学後の子どもを育てるママ達の中には、お子さんが小さい時は子育てサロンに通い、ついでに子どものことを相談することもあったんじゃないかなと思います。でも乳児期を過ぎた途端、どこに相談したらよいのかわからなくなってしまいますよね。そんな悩みを抱えるママたちに、私のサロン情報が届いたらいいなあと思っています。

ー聞いてほしい、助けてほしいというお母さんはたくさんいそうですよね。
借りられる手はどんどん借りるべきだと思います。私も過去の自分にそう言いたい(笑)。なんでもまずは話してみる。そして任せられることは任せてみる。そして自分自身のリフレッシュも忘れずに。私は今、週に2〜3回ストレス発散のためにエクササイズに通っていますよ!

オーダーメイドの子育て支援を。

ー意外です(笑)。
 午前は主に相談とのことですが、午後はどのような活動をされているんですか?

幼児や小学生を対象とした訪問型の学習支援をしています。教員経験を生かしてお子さん一人ひとりの特徴を分析し、オーダーメイドの支援計画を立案。お子さんだけではなく、親御さんのサポートや、保育園や幼稚園、小学校との連携もお任せいただいています。

ーオーダーメイドとはどういうことですか?
その子の好きなものを使ってオリジナル教材を作ったり、それぞれの発達の段階や理解力に合わせた教え方を心掛けたりしています。例えば「文字を書く」という学習ひとつとっても、一般の教材では取り組むことができなかったお子さんが、好きなキャラクターの名前であれば、どんなに難しい漢字でもやる気が出て書ける、なんてこともあるんです。それがきっかけで「できた!」「楽しい!」と思えたら、一般教材もやってみたいと思えるようになる。「オーダーメイド」とは、一人ひとりのニーズに合わせた個別の学習支援のことです。

子どもの特性に合わせた教え方で「できる喜び」を伝えているのだそうです(ご提供写真)

ー今後はどういった活動をしていきたいですか?
同志を集めてこの活動を広めていくことです。教員だけに限らず、公認心理士さんや保育士さん、子どもの教育に関わるさまざまな職種の方々といっしょに、地域の子どもたちを支援していきたいと考えています。利用するお子さんや親御さんにもまずは「Ring」を知っていただきたいですね。

ーありがとうございました!

教育コンサルタント
野原 ふゆさん

子育て支援Ring
札幌市中央区北7条西19丁目38-73 サンコート桑園ガーデンヒルズ1F
Webサイト:http://teachers-breaktime.com/
Instagram:@ring.sapporo.tunagu