しゅふきたアプリアイコン

主婦(夫)の働くをもっと応援

しゅふきたアプリ

しゅふきたは主婦の「働く」を応援する北海道の求人情報サイト

設定

○○ママの好きなこと・大切なこと 上手にできなくても100点満点。異色の経歴からダンス講師に転身したママ|南愛佳さん

2024年12月3日 公開

Dance Studio Jamglad 南愛佳さん

「だれでも、どこでも、いつからでもダンスを楽しめる世界に」を理念に、2024年4月から開講している「Dance Studio Jamglad」。代表の南愛佳さんは元特別支援学校の教員で社会福祉士、ダンス歴35年、そして3児の母というさまざまな肩書きを持つママです。スタジオをはじめた経緯やご自身の子育てについてお話を伺いました。

Contents

1.元教員という異色の経歴からダンス講師に
2.生徒のためにダンス教室を開講!
3.立ち止まって気付いたダンスの価値
4.人の力を借りても、自分に100点をあげていい

元教員という異色の経歴からダンス講師に

ー様々な肩書きがあってどこから聞けばいいのか(笑)。まずはダンスの話から…
よく言われます(笑)。ダンスは幼少期からはじめて、もう35年です。大学時代は道内大学の合同ダンスイベントを創設して、3年間代表をしていた経験もあります。社会人になってからも道外へ遠征したり、ボランティアで講師をしたり、自分のペースでずっと続けてきました。

ーお仕事としては、長らく教員をされていたとか?
障がいを持つ子たちが通う特別支援学校の高等部で11年働いていました。両親が福祉施設で働いていたので、物心ついた頃から障がいのある方が身近だったんですよね。

ーそうだったんですね
大学は社会福祉学部へ進学、卒論では障がいのある方への意識調査や、差別根絶の研究をしていました。社会福祉士と、教員の資格もこの時取得したものです。その後、期限付きの高校教員を経て、26歳ぐらいの頃に特別支援学校の教員になりました。

▲レッスン中の南さん(ご提供写真)

生徒のためにダンス教室を開講!

ーダンス教室をはじめたきっかけは?
高校で生徒たちにダンスを教えていた頃、「卒業してからも続けたい」という声をたくさんもらったんです。障がいを持つ子たちは社会に出ると、どうしても事業所と自宅との往復になりがちで、運動不足になってしまったり、友達と集うような機会や場所がなかったり…ダンスを続けたいけど、一般向けのダンス教室はハードルが高いという声も耳にしていて…

ー確かに、そうですね
それで2019年に在校生や卒業生と共にサークル的な感じでスタートしたのがはじまりだったんです。

ーダンスには精神的な面にも影響が?
もちろんです!好きな音楽に合わせて踊って、暗い顔になる人は少ないですよね。様々な研究で精神面に良い影響を与えるセロトニンやドーパミン、エンドルフィンの分泌を促しメンタルケアに効果があることが明らかになっています。高齢の方にとっては、音楽に合わせて手足を動かして...というのが、脳への刺激となり認知症の予防などにもつながります。

ー本格的に活動されはじめたのは、今年からだと伺いました
口コミで活動が広がっていき大きなニーズを感じました。あと私個人的にはネガティブな時期に入り仕事を退職したことも大きくて…。

▲ダンス教室の生徒たちと(ご提供写真)

立ち止まって気付いたダンスの価値

ー差し支えなければ理由を教えてください
お仕事と当時2人の子の育児が両立できなくなってしまったんです。ほとんど記憶がないほどなんですけど...当時は長男が3歳で暴れん坊真っ盛り、長女が0歳で手がかかる時期でした。それから犬も飼ったばかりで…。仕事も育児ももっとちゃんとしたいのに上手にできない自分を責めてしまって、その結果いっぱいいっぱいになってしまったんです。

ーどうやってその状況を解消したのでしょう
友達や家族の手助けを受けながら、立ち止まってじっくり考えたんです。自分はどう生きていきたいのか。お仕事もお休みさせて頂きました。職場の皆さんには本当にご迷惑をおかけしましたが、おかげで少しずつ元気を取り戻すことができました。

ー立ち止まったことで、育児も変化しましたか?
自分には弱い部分があるということを自分でも理解して、人にも少しずつですが伝えることができるようになりました。人に頼ることや、素直に感謝することもできるようになり、育児も以前より心の余裕を持ってできるようになったと思います。

ーそれから、お仕事も辞めたんですね
特別支援学校の教員はとっても好きでやりがいのあるお仕事だったんですけど、自分が本当にやりたいことは何か、何ができるのかをじっくりと考えた結果でした。ダンスに救われてきた私だからこそ、ダンスの素晴らしさをもっと多くの人に広める活動がしたい。ダンスって本当に体にも心にもそれから脳にも、良いとこ尽くしなんです。自分と向き合い見つめなおしたことで、こうしたダンスの良さと価値を改めて実感しました。

▲シニア向けのダンスでは、学びになることも大きいという南さん。施設の方からも「利用者さんが思ったより楽しそうに踊ってくれている!」と評判なのだそうです(ご提供写真)

人の力を借りても、自分に100点をあげていい

ー現在はどんな活動をしていますか?
現在は西区を中心に、障がいのある方向けの教室を月2回、大人初心者やママ・キッズ向けが月1回、他は児童デイや介護施設、福祉施設で出張レッスンを行っています。最近では生徒のみなさんとイベントへの出演、私個人では講演や学校での外部講師などもさせていただいてます。

ーまだ0歳のお子さんもいますよね?お忙しそうです…
そうです(笑)。本当はもう少しのんびりやろうと思ってたんですけど(笑)。
でも、色んなタイミングが重なり追い風が来たので「ここだ!」と思って、頑張ることにしました。夫や母達をはじめ支えてくれる人がいるおかげです。毎日刺激が多くてとっても楽しいです。育児で起きてることは実は前と変わらなかったり、前より大変なことが起きてたりするかもしれないのですが、心が健康になったので、捉え方が違うと言うか、前より笑って子ども達と接することができています。

ー同世代のママに向けて、メッセージをお願いします
これは家事でも仕事でもそうですけど、物や人の手を借りることに罪悪感を感じないで、感謝はしつつ自分を許してあげることが大事なんじゃないかと思っています。私は「こうしたい!こうしなきゃ!」みたいな思いが強く、自分で自分を追い込んだり責めたりしがちです。でも、ママだって一人の人間、上手にできないこともたくさん。全部なんでも完璧にこなせなくたって良いですよね。例えば夕食はスーパーのお惣菜でもいいし、掃除は家事代行に頼んだっていい。その分、子どもと向き合う時間を増やすことができた!自分のやりたいことに集中できて心に余裕がもてた!できたことにフォーカスして自分を認めて満たすことが大切かなって。例え家事を全くしなくても、子どもに笑顔を向けられただけで、自分に100点をあげていいと思うんです。生きてること、存在していること、それを認めてくれる人がいること、それだけで本当に幸せなことですよね!

ー活動を通じて伝えたいことは何ですか?
ダンス=若者や子どもがやるものってイメージされる方が多いと思いますけど、誰がやってもいいですし、どんな人にでもオススメできるものだと思っています。ダンスを活用して障がいのある方や、ご高齢の方の理解に繋がる活動や、お互いを認め合う社会作りをしたいと思っています。「誰だって自由にダンスを楽しんでいいんだよ。」ということを伝えていきたいですね!

ーありがとうございました!

Dance Studio Jamglad 南愛佳さん