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○○ママの好きなこと・大切なこと 北海道の中小企業を、健康から元気にする「企業の保健室」|豊岡萌絵さん

2025年4月1日 公開

株式会社トキエノ
代表取締役 豊岡萌絵(きえ)さん

中学2年生と小学6年生の息子さんを育てながら、「企業の保健室」として中小企業の顧問保健師をされている株式会社トキエノ代表取締役の豊岡萌絵(きえ)さん(@tokieno_phn)。豊岡さんが啓発活動をしている「健康経営®」についてや、起業を志したきっかけ、ご自身の育児についてたっぷりとお話を伺いました。

Contents

1.上司に代わり社員と家族の健康状態をチェック!
2.患者に寄り添える存在を目指して奮闘した20代
3.ある日突然…自身の経験から決意した起業
4.我が子が働きたいと思える職場を増やしたい

上司に代わり社員と家族の健康状態をチェック!

ーまずはお仕事について教えてください。そもそも「健康経営®」とは何でしょうか
従業員の健康推進を行うことで生産性向上を目指すものです。国としても普及を進めていて、ワークライフバランス、メンタルヘルス対策、ストレスチェックの実施など一定の基準をクリアした企業を「健康経営優良法人」として認定しています。会社の入口なんかにロゴが書かれた認定書が掲げられているのを見たことはありませんか?

ーそう言われると見たことが…
意識の高い大学生だと存在を知ってて、就活では認定を持っている企業の人気が高かったりします。一方で、規模の大きな会社がほとんどで、中小企業、特に北海道ではまだまだ認知度が低いのが現状なんです。私は愛する北海道で一つでも働きやすい職場を増やすために、中小企業に的を絞って啓発に取り組んでいます。

ー具体的にはどんなご活動をされてるんですか?
「企業の保健室」と言うとイメージが付きやすいでしょうか。企業の経営者や総務系の方から依頼を受けて、社員の健康管理や健康指導を行っています。まずは社員全員と面談して「眠れているか」「健康上の不安はないか」といった本人の健康状況をヒアリングして、配偶者や子どもなど、家族の健康面も聞き取ります。

ー社員だけでなく、家族も見てくれるのが心強いですね。その後は?
例えば「腰が痛い」というお悩みが多い企業であれば、理学療法士を派遣して業務中にピラティスや体操といった運動の時間を取り入れるようにしたり、「若手のメンタル不調が多い」という兆候をつかんだ場合はベテランや中堅層向けに若手との接し方について研修を行ったり、さまざまな助言やご提案を行います。あとは社員の健康づくりにかかわる講演やセミナーもご要望に応じて開催していますね。

ーそれは助かりますね。実際に、若手が突然会社に来なくなった…とはよく耳にします
「社員の不調に気づけない」という方は多いんですよね。そもそもストレスは目に見えないですし、不眠や抑うつ感などは職場の人に相談しにくいものです。でも私のような外部の人間であれば話しやすいですし、相談者のプライバシーも守った上で客観的に対策に講じられる、というメリットがあります。

▲こころの健康に関するセミナーなどの活動も数多く開催しています(ご提供写真)

患者に寄り添える存在を目指して奮闘した20代

ーではご自身について教えて下さい。豊岡さんはどんな道のりを経て起業に至ったのでしょうか
ちょっと長くなるんですけど…、高校生の時にTVドラマの影響で看護師の仕事に憧れて、故郷の蘭越町から札幌の医療系大学に進学。4年生の頃に看護師と保健師の資格を取得して、新卒では総合病院のNICUで働いていました。

ー未熟児や医療のサポートが必要な赤ちゃんを育てる新生児集中治療室のことですね
そうです。もちろん素晴らしい仕事だったんですが、赤ちゃんが退院するとお付き合いが終わってしまう所にジレンマを感じて。私はもっと長い目で人の健康を守れる仕事がしたいと、2年ほどで退職しました。その後は故郷である蘭越町の役場で保健師として、新生児訪問や乳幼児健診などに携わっていました。

ーご出産されたのは?
26歳の頃に主人と結婚、第一子を妊娠して役場を退職して札幌へ移りました。はじめは専業主婦をしていたんですが、一人で子育てに向き合っているうちに、徐々に仕事に行く夫が羨ましくなってきちゃって…。ちょうど「地域包括支援センター」での募集があって「土日祝休み」とあったので育児と両立して働けそうだと思い入職しました。

ー「地域包括支援センター」とは具体的には何をされている所なのでしょう
管轄する自治体からの委託を受ける形で、地域住民の方から介護や認知症など相談ごとの窓口としての役割を果たします。保健師は医療の知識や経験も活かしながら、介護や認知症に関する相談に対応したり、介護予防に関するアドバイスなどを行います。

▲職場での若手や部下とコミュニケーションのコツも企業から好評です(ご提供写真)

ある日突然…自身の経験から決意した起業

ーなかなか大変そうなお仕事ですね
社会的な使命が大きく、やりがいのある仕事ではありました。でも育児もしながらあまりに大きなプレッシャーを背負っていたためか、ある日突然起き上がることができなくなってしまって…。

ーあらら…
自分は何のために働きたいか、休職してさまざまな事を考えました。次は地域のためじゃなく、自分のために働きたい。じゃあどんな関わりを持ちたいか考えたら、私と同じように「仕事に行けなくなった」という人を増やさないよう、さまざまな「働く人」と接したいと考えたんです。

ーそれで起業をされたんですね
長くなりましたが、それがきっかけでした。私が家にいると、子どもが喜んでくれると気付いて、自宅中心でできる仕事を…と考えたのが、起業という方法だったんです。2022年2月ぐらいのことでしたね。

ー子育ても大変でしたよね…
この時期、ほとんど記憶がないですね…(笑)。

ー現在の働き方はいかがですか?
さまざまな業界や会社の方に寄り添うことができ、とても充実しています。そもそも「看護師になりたい」と思った原点が、TVドラマに登場する看護師さんがさまざまな患者さんに寄り添う姿に憧れたからだったんです。健康上のことって、時にセンシティブで相談しにくいもの。勇気を持って私を相談相手に選んでくれた時点でとても嬉しいですし、みなさんが自分のような経験をしないよう、力を貸したいと考えています。

▲2ヶ月に1回、NPOとの共催で「地域の保健室」としても活動(ご提供写真)

我が子が働きたいと思える職場を増やしたい

ー子育ての面でも、ラクになられたんじゃないですか
今は両立ができていますね。実は今考えると、もっと子ども優先で働けば良かったと後悔している部分もあるんです。仕事の代わりはいても、母親の代わりはいません。その事実に、がむしゃらに働いてる当時は気づかなかったんですけど…。

ーでも、立ち止まらないと気付かないですよね
私の場合は強制的に立ち止まらざるを得なりましたからね。だから今、両立で悩んでいる方には、少し自分の時間を作って「今」について考えて欲しい、と思っています。人の頭って、意識しないと過去と未来のことばかり考えてしまうんですよね。

ー確かに…!
だから、単純作業や料理やものづくりのような、没頭する時間が必要なんですよね。「余白」ができて、はじめて自分自身のことを考えられるんです。
私、仕事を辞めようか悩んだ時に、子どもに「どう思う?」って聞いていたんですよね。それって、自分に決断する力がなくて、家族を後ろ盾にしていた証拠だと思うんです。今は自分のことは人の意見じゃなく、自分で決断するべきだと考えるようになりました。子育ては5年、10年と変わらず続いていきますが、働き方は自分の意志次第で柔軟に変えられますからね。

ーそうですよね
親が元気で働いている姿を見せる事は、子育てにも良い影響を与えると思っています。うちの長男も、学校のSDGsに関する課題で「全ての人に健康を」をテーマに発表をしてくれたようで、母親として誇らしい気持ちです(笑)

ー今度の目標はありますか
長男が今中学2年生なので、あっという間に社会に出る機会が訪れるんですよね。あの子が就職する時に、どんな会社だったら働きやすいか、会社にどんな存在がいると嬉しいか。一番身近で愛する存在で想像をしてみると、今まで以上に仕事へのモチベーションが高まりました。「北海道で働くっていいな」と息子に思って欲しいですからね。

ーいちばん説得力のある理由ですね
だと思います(笑)。北海道のこれからを担う子どもたちが働きたいと思える職場を一つでも多く作れるよう、頑張りたいです!

株式会社トキエノ
代表取締役 豊岡萌絵(きえ)さん

Instagram:@tokieno_phn
トキエノ Instagram:@tokieno_office
トキエノ Webサイト:https://www.tokieno.com/