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○○ママの好きなこと・大切なこと 子どもの「人間力」を育てたい!キッズサポート札幌IROHA|鈴川かなみさん

2025年4月18日 公開

ベビーシッター
鈴川かなみさん

鈴川かなみさんは、小1の男の子と4歳の女の子のママ。保育士として約15年の経験をもとに2024年6月にベビーシッター事業「キッズサポート札幌IROHA」をスタート。ベビーシッターとして札幌市やその近郊の家庭に出向き、保育を行っています。「子どもたちの笑顔を守りたい」と話す、そのきっかけとなった出来事や、自身が考える保育による子どもの発達の大切さを伺いました。

Contents

1.保育士として辛いことも楽しい事も経験
2.大切な人との別れで気付いた自らの夢
3.保護者の方へのサポートは、子どもにとってもプラス
4.子どもの「人間力」を育てたい

保育士として辛いことも楽しい事も経験

ー約15年間、保育士をされていたんですね
そうですね。札幌市内の保育園で4園勤務した経験があります。中でも2つの園が、保育士としての価値観に大きな影響を与えてくれました。

ーそれぞれどんな園だったのですか?
1つは、園児の身体や心の発達に力を入れている園で、五感を使う遊びが多かったんですね。泥遊びで身体全体の感覚を磨いたり、虫にふれて好奇心や創造力を養ったりと、私から見て魅力を感じる園でした。「子どもはどういうことがきっかけで心や身体が発達していくんだろう?」と、考えさせてくれたのがこの園です。

ー魅力的な園ですね
一方の園は、世の中にはさまざまな事情を抱えるご家庭や保護者の方がいるということを知りました。私自身は母から、目いっぱいの愛情を受けて育ったと自負できるほど、大事にされていることを実感しながら育ってきたんですよね。ですがこの園では、世の中にはそうじゃないこともあるんだというのを痛感する出来事も相次いで…。

ーそうなんですね…
「この世に生まれてきた子どもの笑顔を守ってあげたい」という気持ちが、この時に芽生えたんです。漠然と「保護者の方も子ども達も笑顔になれるようにサポートしたい」と、思い始めましたが、当時はすぐに行動に移すことはできず、モヤモヤした気持ちを抱えながらその後も働いていました。

大切な人との別れで気付いた自らの夢

ー何がきっかけでベビーシッターになられたんですか?
第二子を出産し育休を取得している期間に、父が亡くなったんです。母も私が24歳の頃に他界してしまっていたので、「人生ってあっという間に終わってしまうこともあるんだ」と実感して。元気な時は今しかないかもしれない、やりたいことは今やらないといけないと思い、少しずつ「自分が本当にやりたいことは何か」を考え始めました。

ーそれは辛い経験でしたね
これまでの経験をもとに「子ども達が笑顔になれて、のびのび育つことができる環境」を考え、繋がっていったのがベビーシッターという職業です。保育士として自ら保育内容を考えていた経験を生かして、子ども1人1人に合わせたオーダーメイドのカリキュラムをつくることができ、その子に寄り添った保育ができる。そして、ママたちの心をニュートラルな状態に戻すこともできると思ったんです。

ー「ニュートラル」というと?
私自身、第二子の育休中にシッターへ子どもを預けてみたことがあって。久々に自分だけの時間を過ごして、心がリセットされていくのを実感したんですよね。

保護者の方へのサポートは、子どもにとってもプラス

ー心の余裕、大事ですよね
実際にシッターを利用したことで、良い部分がたくさんあることを知ることができました。利用する前は子どもを預ける緊張や罪悪感もありましたが、その気持ちが吹き飛ぶほど心が満たされて、結果的に子ども達にもより優しくなれたり、話をじっくりきけて関係性がよくなったんです。同時にこの体験を通じて少しずつ「私だったらこういう保育をしたいな」という、欲のようなものがふつふつと沸いてきまして(笑)。

ーどんな欲が?
保育の専門性を発揮できるようなシッターの内容にしたいなと思ったんです。冒頭でお話しした保育園のように、五感を刺激したり探究心を刺激するような遊びで子どもたちの発達を促したり、子ども一人ひとりの人権を尊重した保育ができたらいいなって。

ーいいですね
私も子育てを経験していく中で、親が家で遊んであげられることって限られているなと感じることが多くて。特にワーママだと平日の帰宅後、食事にお風呂、寝かしつけがあると思うと、子どもに話しかけられても生返事になってしまったり…。良くないと思いつつも、保護者の方もいっぱいいっぱいですから。私がその部分をシッターとしてサポートできたらと思ったんです。やりたいことが固まったタイミングの2024年6月に「キッズサポート札幌IROHA」を立ち上げ、シッターとしての活動を始めました。

子どもの「人間力」を育てたい

ー世のママたち頑張っていますもんね
本当に。頑張り過ぎなくらい。例えば私、普段子どもたちには、あまりテレビを見せないようにしているんです。家事をしながら声が届かないことがありますし、理想にしている「五感を生かした育児」ができないと感じて。でも、それは心に余裕がある時で、余裕がない時や疲れている時は、テレビを見せる時もあります。見せる、見せないの二択じゃなくて、工夫して上手に子育てと付き合っていくのが、ママが笑顔でいれるコツみたいなものなんじゃないでしょうか。

ー保育士やシッターとして、たくさんのご家庭を見てきたからの言葉ですね
そう言ってもらえるとうれしいです(笑)。子どもたちにのびのびと育ってもらうためには、保護者様の心の余裕が大事。私はシッターを通して、15年後、子ども達が大きくなった時に、自分の人生を自らで選択して切り拓き、挑戦して欲しいと思っています。私はそれを「人間力」と呼んでいるんですけど、勉強で学ぶ知識の前に、学びたい意欲や好奇心など土台になる部分をしっかり作って、伸ばしてあげたいんですよね。

ー最後にこれからについて教えてください
ベビーシッターという存在が、子どもを預ける選択肢の中で「幼稚園、保育園、ベビーシッター」というほど、罪悪感なく皆さんがベビーシッターも利用できるようになれたらいいなと思います。そのためには、まずシッターを利用する人を増やすことが必要だと思うので、そのきっかけに私はなりたいです。そして、もっともっと子育てをしやすい社会に変えていくことができればと考えています。
ーありがとうございました!

ベビーシッター
鈴川かなみさん

鈴川かなみさんInstagram:@sapporo.iroha