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北海道ママの気になること調査隊 いのちのために、「恥ずかしい」をなくそう!NIJI RIBBON 運動

2023年7月4日 公開 / 2024年10月28日 更新

女性の皆さんは子宮頸がん検診に、抵抗を覚えたことはありませんか? 初対面のお医者さんの前で下半身裸になり、手術台のような機械に乗って開脚したまま診察をする。そんな状況に「恥ずかしい」「怖い」という思いを抱いた人も少なくないはず。
今回ご紹介する「NIJI RIBBON運動」では、婦人科検診への抵抗感を少しでもやわらげるために、検査用使い捨て下着の普及活動を行っています。この運動を展開するNPO団体NIJI.RIBBON事務局理事長の伊藤由美さんにお話を伺いました。
伊藤さんが活動をはじめるきっかけとなったのは、あるご友人を子宮頸がんで亡くしたことでした。

「十数年お付き合いがあった友達で、ある時自身の不正出血の話をしていたんです。検査を勧めても『婦人科ね...』とどこか避けていた様子でした。しかしそれから4〜5ヶ月後、ステージ4の子宮頸がんが見つかったのです」
ご友人は幼い2人の子がいるシングルマザー。闘病と並行し子育てに励む彼女を伊藤さんたちは応援し続けたそうですが、3年半後の2016年、とうとう天国へ旅立ってしまったのだといいます。

「あの時、もっと早く検診を受けていたら。もっと検診が受けやすい世の中だったら。そんな悔しさが私をつき動かしました」

実は日本は子宮頸がんの検診率、死亡率ともにG7の国々のうちワースト1位。2019年の罹患者数は約1万人で、このうちの3割にあたる約3千人が亡くなっています(※)。さらに北海道の受診率は全国平均に比べて低い結果となっているのだとか。

(※)国立がん研究センター調べ
「私たちの調査によると、下半身を露出した状態での検診に抵抗があると答えた女性は実に8割に及びます。検診の羞恥心や恐怖心を少しでもやわらげることができれば、受診率がもっと上がるはずです」

ただ、婦人科検診用の使い捨て下着はこれまで存在しなかったそう。伊藤さんは「無ければ自分で作ればいい」と、婦人科で使用するための不織布で使い捨て下着を自費で開発しました。太ももが隠れる長さがあり、腰回りはゴムで調整可能なため妊婦や男性でも使用可能。股間にあたる部分には検診時に必要な分だけ開けられるよう、ミシン目が入れられています。
現在NPOではこの下着の普及を目指して活動中。医療機関への導入への働きかけと共に、活動をサポートしてくれる企業や団体、月額500円から支援できるワンコイン会員を募集しています。

▲現在は有志のサポートスタッフで運営。SNSでの発信を担当しているのは、以前もママLifeにご登場いただいた中山桜さんです。

「現在は札幌市内でまだ数カ所の医療機関しか設置を認めてもらっていません。まずは皆さんへ周知し、この活動を広めていきたいと考えています。将来は検査用下着が当たり前に与えられ、友人のように亡くなる女性をゼロにしたいというのが私の想い。この目的のために、一人でも多くの方のご賛同をお待ちしております」
前向きな笑顔で力強く話す伊藤さんの姿が印象的でした。一人でも多くの女性の命を救うために、みなさんのご理解ご協力をお願いいたします!

詳しい活動や、サポートについては 公式ウェブサイト ( https://www.niji-ribbon.com)を ご覧ください。