小田さんの以前の勤務先は、企業の送迎車両の管理業務を請け負う会社でした。当初は営業職として入社しましたが、経営の多角化を図る会社の意向で、複合高周波EMSを使用した出張施術の仕事に就くことに。戸惑いはあったものの次第に仕事の面白さに目覚め、更なるスキルアップを考えるようになります。「筋肉だけでなく、骨格のゆがみも直して体全体のバランスを整えたい。そう思ってカイロプラクティックの資格を取る決心をしました」。仕事の合間に勉強を重ね、見事合格。〝カイロプラクターとして今まで以上に質の高い施術を!〟 と意気込んだ矢先に、新型コロナウイルスが広がり始めます。「そうこうするうちに会社が出張施術事業から撤退することになって…。営業職に戻る道もありましたが、お客様もついていたし、資格を取るために融資も受けていたので、思い切って独立することにしたんです」。
決断を後押ししたのは「施術のお陰で体が楽になった」というお客様の声。「効果を実感していただけるとうれしいですし、励みになりますね」。丁寧な施術は口コミで評判となり、紹介で訪れるお客様も増えました。年齢は20〜70代と幅広く、男女比は半々とのこと。「体の悩みは年齢も性別も関係ありませんからね」と小田さん。気軽に相談できる明るい人柄も人気の秘密のようです。とはいえ、開業に当たっては苦労も多かったそう。「資格取得や開業準備でお金も掛かりましたが、周りの人たちに助けられてスタートできました。この仕事は体が動きさえすればどこでも働けるので、借金は先行投資だと思って頑張ります」。
そんな小田さんに今後の夢を伺うと「お客様により説得力をもって話せるようになりたくて、今は食育栄養士の勉強をしています。美容カイロやヘッドスパにも挑戦したいですね。ここに来たら全身が楽になってリフレッシュできる、そんな場所にしていきたいです」と、目を輝かせて語ってくれました。