柴田さんは現在、フリーのスタイリストとしてブライダルや成人式などの出張ヘアメイクや着付けを手掛けています。特にブライダルには力を入れていて、お客様の要望を取り入れながら美しく仕上げるセンスと技術は、SNSでも評判です。アイリストとしても活動中で、市内の美容室から委託を受けまつ毛エクステやまつ毛パーマの施術も行っています。
柴田さんが着物の着付けに興味を持ったのは、美容学校在学中にヘアメイクと着付けの全国大会に参加したことがきっかけでした。「祖母が日常的に着物を着ていたので、私にとって着物は普段着に近いものでした。でも全国大会で多彩な結び方の創作帯を目にして、帯一本でこんなに華やかになるのかと驚きました」。和装の世界に魅せられた柴田さんは「着付け師になろう!」と決心。卒業後、北見のブライダル会社で働いた後、釧路に戻り市内の美容室に転職。以来12年間忙しく働いていましたが、2年前に転機が訪れます。
「親しかった先輩の退職を機に、自分の今後について考えるようになりました。職場には他にも着付け師がいて、私はなかなか携わることができません。どんなに完成イメージを思い描いても、会社の方針でできないことも多くて…」。もっと自分のやりたいようにやってみたいと思い、退職を決断。店舗を持たずフリーランスで働き始めました。フリーになってからはストレスもなくなり、楽しみながら働いているという柴田さん。ブライダルの仕事には特にやりがいを感じるそうで「絶対に失敗できない状況でイメージ通りに仕上げることに、毎回達成感があります」と語ってくれました。
そんな柴田さんの最終目標は着付け講師になること。「講師免許は持っているのでいつでも始められますが、自分の年齢やタイミングを考えながらじっくり計画していきたいですね」。学生のころに抱いた着付けへの憧れを胸に、柴田さんの挑戦はこれからも続きます。