辻谷さんが経営する「オカメコーヒー」は、厳選したコーヒー豆を丁寧に焙煎して販売するオンラインショップ。作り置きはせず注文を受けてから焙煎するため、香り高くフレッシュな味わいが特徴です。生豆の段階から雑味の原因となる不良豆を取り除き、焙煎後も更に選別を重ねることで繊細ですっきりした味に仕上げています。
実は辻谷さん、以前はコーヒーが苦手だったと言います。「特に酸味のあるコーヒーが苦手で、飲んだ後、喉にえぐみが残るように感じていました」。そんな辻谷さんを変えたのはご主人がいれてくれたコーヒーでした。元々コーヒー好きだったご主人は、好きが高じて生豆を取り寄せ自分で焙煎するまでになり、どんどん腕を上げていったそうです。「夫がいれたコーヒーは雑味もえぐみもなく本当においしかったので、それ以来よく飲むようになり、自分でも焙煎を始めました」。
前職では電気系の技術者として旭川市で働いていた辻谷さん。同じ会社に勤めるご主人とは配属の関係で離れて暮らしていましたが、退職を決め弟子屈町に転居しました。「これから何をしようか考えた時に、大好きなコーヒー豆の焙煎を仕事にしたいと思ったのです。でもいきなり店を持つのはハードルが高いので、まずインターネット販売から始めることにしました」。
ご主人の協力を得つつ、ハンドメイド作家の義姉が手掛けたポットマット等をラインアップに加えるなど、家族に支えられて5月に開店。お客様からも好評で「すっきりして飲みやすかった」という声が励みになっていると言います。「豆本来の特徴を生かしながら、コーヒーが苦手な人にも飲みやすい味を追求しています。量産はできませんが、その分手間を惜しまず、焙煎したての新鮮な豆をお届けしています」。
将来はカフェの経営だけでなく、技術職の経験を生かした会社経営も視野に入れ、簿記等を勉強中の辻谷さん。夢に向かって努力を重ねるその姿は、生き生きと輝いていました。